| 2003年10月31日(金) |
キャンディーズ考察 3 |
ランをメインに据えた後は、次々とヒット曲が続く。 しかし、ぼくは彼女たちを認めていなかった。 メインボーカルを替えて少しはよくなったかな、という程度のものだった。 一番大きな理由は、彼女たちが歌っていたのは、アイドルポップスだったからだ。
同じ年にデビューした山口百恵は、1976年の『横須賀ストーリー』から、アイドルポップスから脱皮し、独自の世界を切り開いた。 一方のキャンディーズはどうだったか。 75年にスリーディグリーズが来日。 それに刺激を受けたのか、突然いかにもらしいソウル曲『その気にさせないで』を発表した。 しかし、こういう歌ならゴールデンハーフ・スペシャルでも歌えたはずだ。 もしかしたら、事務所は和製スリーディグリーズにしようとでも思っていたのかもしれない。
また、『春一番』は確かにいい曲ではある。 元々この曲は、キャンディーズのために作ったものではなかった。 この曲を聴いた人が「いい曲だから、他に渡すな」と言って、キャンディーズに歌わせたという。 当初はアルバム曲だった。 シングルカットされたのは、アルバム発売から1年後のことだった。 「いい曲だから、シングルにしてくれ」というファンの声に応えたらしい。 結局「いい曲だから」で始まったこの曲は、『およげ!たいやきくん』に押さえられて1位にはならなかったものの、それまでの最大のヒット曲となり、以来30年近く春の歌の定番となっている。 が、ぼくはこの歌をキャンディーズ独自のものとは思わない。 確かに出色ではあるのだが、人生応援歌というか、あまりに歌がストレートすぎて、キャンディーズらしさが見えてこないのだ。 つまり、アイドルポップスの枠を抜け出してないのだ。
「キャンディーズらしさ」、それを見るためにはあと1年待たなければならなかった。
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