| 2003年10月30日(木) |
キャンディーズ考察 2 |
ぼくがキャンディーズを初めて知ったのは、ドリフの「8時だよ!全員集合」を見ていた時だった。 元々、ぼくはアイドルが嫌いだったせいもあり、最初に彼女たちを見た時、「スクールメイツの延長みたいな奴らだなあ。どうせすぐにだめになるだろう」と思っていた。 小太りの女が真ん中でうまくもない歌をうたっている。 脇の二人にも魅力を感じない。というより、脇の二人は見ていなかった。 全員集合の中でやっていた体操のコーナーでも、前転も満足に出来ないし、これと言って取り柄のないアイドルだった。
全員集合にはほとんど毎週出ていた。 出る毎に歌をうたっていたが、あいかわらず太った子がメインだった。 しかも、さほど曲もよくない。 おそらくそのままの路線で走っていたら、キャンディーズは自然消滅していただろう。
ところが、デビューして1年ちょっとが過ぎた時、初めてランがメインをとった『年下の男の子』が大ヒットした。 当時の評論家は、「スター性のある『ラン』を真ん中にしたのが、ヒットの要因だ」とのたまっていたようだが、ぼくはそう捉えなかった。
その頃芸能界といえば、アイドルの全盛期だった。 いつもどこかのチャンネルにアイドルが出ていた。 当時のアイドルは、中3トリオや浅田美代子などを除いては、目くそ鼻くその世界だった。 どちらかというと、世間はアイドルに飽きていた時代だった。
スーがメインで受けなかったのも、そこにあったのだと思う。 どちらかというと、スーは「ちょっとアイドル」的だった。 そこで、「またか」という気になったのだ。 ところがランはそうではなかった。 隣の姉ちゃんがテレビに出ているような、一種の親しみがあった。 ぼくたち年下の男の子にとって、それはすごい安心感に繋がった。 つまり、ランがメインになって受けた理由は、評論家がのたまった「ランのスター性」というものではなく、「ランの、どこにでもいるお姉さん的な雰囲気」にあったのだ。
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