昼から映画『踊る大捜査線』を見に行った。 劇場で映画を見たのは、宮崎駿の『おもひでぽろぽろ』以来だから、実に12年ぶりということになる。
ぼくは、昔からあまり映画には興味がなく、映画館にもそう多くは行っていない。 映画館に一番多く通った時期は小学生の頃だが、それでも夏休みや冬休みに限定されていた。 各学期の終業式が近くなると、学校の前などで、よく『マンガまつり』や『ゴジラ』などの怪獣もの映画の割引券を配っていたが、それを見に行っていたくらいである。
中学の頃、多くの友人が洋画に目覚めていった。 しかし、ぼくはそういうものには、まったく興味を引かれなかった。 とはいえ、友人との付き合いで、たまには映画館に行くこともあった。 『小さな恋のメロディ』『ある愛の詩』『レッド・サン』『トラ・トラ・トラ』などを見に行ったのだが、ぼくは映画を見ずに、外の売店のお姉さんと話ばかりしていた。 映画を見るよりも、そちらのほうが楽しかったのである。 映画が終わると、友人たちから「しんた、お前どこに行っとったんか?」とよく言われたものだ。 翌日、クラスの人から、「しんた君、あの映画どうだった?」と聞かれても、感想などは当然答えられないから、「ああ、面白かったよ」とぶっきらぼうに答えていた。
高校の頃に行った映画は、『帰って来たドラゴン』と『山口組外伝』の2本だった。 ちょうどブルース・リーがブームになっていた頃、友人たちと『燃えよドラゴン』を見に行こうということになった。 しかし、時すでに遅く、『燃えよドラゴン』の上映はすでに終わっていた。 しかたがないので、同じドラゴンものの倉田保昭の主演映画を見ることにした。 が、どうも二番煎じのような気がして、面白くなかった。 それの比べると『山口組外伝』のほうは面白かった。 九州が舞台となっていたので、親しみがあったせいもあるだろう。 主演の菅原文太が、やけにかっこよかったのを覚えている。
それ以降に見に行った映画というのは、数えるほどしかない。 『八甲田山』『サタディ・ナイト・フィーバー』、ずっと飛んで『ダイハード2』『バック・トゥ・ザ・フューチャー2,3』『インディ・ジョーンズ3』『ゴースト』『ゴーストバスター2』と、先に言った『おもひでぽろぽろ』である。 最初の二つは、招待券で行ったもの。 後の映画は、仕事の延長で行ったものだった。 そういう理由から、あまり印象には残っていない。 ぼくの場合、映画は劇場で見たものより、ビデオで見たもののほうが、より印象に残っている。 特に洋画はそうである。 理由は、字幕がゆっくり見られるから、である。
|