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2003年08月25日(月) 蚊ならまだ許せるダニの痒さかな

【蚊】
今年は蚊が少ない。
冷夏のせいもあるのだろうが、それにしてもこれまでの人生において、ここまで蚊の少ない夏を経験したことがない。
ぼくは、四十数年前に今住んでいる場所に引っ越してきたのだが、その頃には、近くに池やどぶ川があって、蚊が異常に多かった。
夏は毎晩蚊帳を吊るしていた記憶がある。
ぼくが物心ついた頃には、すでに池はなくなっていた。
そのため蚊帳を吊るすことはなくなったが、まだどぶ川が残っていたので、蚊は多かった。

20年ほど前から、市の再開発で、多層階の団地が増えていき、下水道の整備が行われた。
それにつれ、蚊は徐々に減っていった。
そして、何年か前、蚊の発生源として唯一残っていたどぶ川が、道路拡張のために埋め立てられた。
これで極端に蚊の数が減っていった。
とはいえ、まったくいなくなったわけではない。
年間何度かは、蚊取り線香を焚いたりしていた。
ところが、今年はその蚊取り線香も焚いていない。
いったい蚊はどこに行ってしまったのだろうか。


【ダニ】
今年はダニが多い。
毎年体のどこかをダニから噛まれていたことはいたのだが、今年ほどではなかった。
手足はもちろん、腹や背中も所々赤く腫れている。
一度掻くとさらに痒さが増し、掻きむしるまで掻いてしまうので、なるべく我慢しているのだが、無意識のうちについ手が伸びてしまう。
かゆみ止めの薬を塗っても、そう長く効果は続かない。
結局、腫れが引き、痒みがなくなるまで、必死に耐えなければならない。

そういうダニの害はぼくだけかと思っていた。
が、そうではなく、店の従業員もけっこう多くやられている。
女子の場合はキュロットをはいているので、脚をやられているとすぐにわかる。

また、お客さんの中にも、脚や手に赤い斑点がついている人をよく見かける。
先日、お客さんと話していると、そのダニの話が出た。
「今年はダニが多くてねえ。ほら見て、ここひどいでしょう」と、お客さんは袖をまくり上げた。
見ると、肩の当たりがかなり腫れ上がっている。
「ああ、これはひどい。皮膚科に行ったほうがいいんじゃないですか」
「いや、行ってきたんよ。でも、薬を塗ったところで、すぐに痒くなるけねえ。掻くなと言われてもかいてしまうもんねえ」
「ダニの痒みはしつこいですからね」
「そうそう。しつこいんよねえ」

そのダニは、いったいどこにいるのか。
まず、家の中だろう。
ぼくは、あまり掃除をしないから、それはしかたないことである。
もう一つが会社である。
什器の隅などに、いつも綿ぼこりがしているが、そこに潜んでいるのだろう。
後一つが、倉庫である。
ここは、床だけではなくて、段ボールなどにも付着している。
倉庫整理をした後で、ふと気づくと、腕にダニに噛まれたあとがある。
おそらくそれは、段ボールについたダニのせいだろう。

会社や倉庫にいるダニは、個人の力ではどうしようもないが、せめて家にいる憎きダニだけは自分の手で始末したいものだ。
そう思って、前の休みに、部屋の中を何度もクリーナーをかけた。
それだけでは気がすまず、床やイスをマイペットで拭き上げた。
「これで一安心」と持ったのもつかの間だった。
その翌日、また新たなダニの噛み後を見つけた。
それも4箇所も。
そう、ダニの被害は一向に減ってないのだ。
かえって被害が増えているようにも思える。

きっとこれは、天井にこびりついているダニが退治出来ていないからである。
ぼくの家は8階建てマンションの6階である。
防音設備はしっかり出来ているのだが、それでも7階に住んでいる人が走ったり暴れたりする音は聞こえる。
ということは、天井は震動しているということである。
その震動で、天井にこびりついたダニが降ってきているのだろう。
そのため、床を何度掃除しても、効果がないのだ。

そこでぼくは、薬局に行き、ダニ用のバルサンを買った。
これで根こそぎ退治してやろうと思ったのである。
ということで、次に休みに、ダニたちの大虐殺を計画している。


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