頑張る40代!plus

2003年08月23日(土) 金縛り

数日前の話。
日記を途中まで書いて、急に眠たくなった。
もうどうしようもないので、日記は朝に書くことにして、とりあえず寝ることにした。
ところが、床についてからしばらく眠られずにいた。
「あの眠たさは何だったのだろう」
そんなことを考えていると、耳の中に「シーン」という音が広がった。
こういう状態になる時、決まって金縛りにあう。
ぼくは、そうはさせじと、力を振り絞って金縛りにかからないように踏ん張った。
が、無駄な抵抗だった。
場が変った。
体は動かずに、神経だけが、ピリピリと研ぎ澄まされていく。
目を閉じているはずなのに、周りの状況がわかる。
その時、ぼくの上を何かが通っていった。
通り過ぎた後の風が、ぼくの手に触れる。
「今のは何だろう?」と考えていた時、ぼくは肝心なことを思い出した。
息をしてないのだ。
いや、息が出来ないのだ。
胸筋に力を入れて息を吐き出そうと試みたが、出ない。
「このままでは死んでしまう」と思ったぼくは、下腹に力を込めることにした。
気管に空気が通るまで、しばらく時間がかかった。
「フーッ」
やっと鼻から息が漏れた。
すると、元の場に戻った。
ぼくは目を開けた。
いつもと変らぬ、寝室の風景が目に映る。

ぼくが金縛りにあう時はいつもこんな具合である。
しかし、今回のように、何かがぼくの上を通り過ぎるなどという体験は初めてである。
息が出来ないことを考え合わせてみると、あれは死神だったのかもしれない。

ぼくは、死神から何度か命を狙われたことがある。
最初にぼくの前に現れた死神は、からし色の袈裟を着た、ドクロだった。
彼は、そのへんにいた死霊を集め、ぼくをその世界に誘い込もうとした。
ぼくは般若心経を唱え、必死に抵抗した。
すると、金縛り状態は解け、いつもの場に戻った。
しかし、場に戻った時、呼吸は乱れ、心臓は高鳴っていた。
金縛りに合っている最中、おそらくぼくは死んでいたのだろう。

よく、霊を見たという話を聞く。
しかし、その話を聞いた時、ぼくはいつも疑っている。
なぜなら、霊といういうものは肉眼で見えるものではなく、心の目で見えるものであるからだ。
ある専門家は、「幽霊を見た時、あなたは一時的に死んでいるのだ」と言っていた。
つまり、同じ次元でないと、物事は見えないということである。
幽霊と同じ次元といえば、死後の世界である。
死後の世界が見えるということは、その人は死んでいるということになる。

「何か白い影が見えた」
いったいどの目で見たのだろう。
肉眼で見たというのなら、残念ながら、それは目の錯覚である。
ただ疲れているだけである。
本物の幽霊を見たいのなら、一度死んでみるがいい。
そのへんにウヨウヨしているはずだから。


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