休みだった。 朝は比較的遅くまで寝ていた。 しかし、普段より1時間ほど多めに寝た程度だ。
昨日から、今日は小倉に行く予定にしていた。 最近発売された気になる楽器があったので、それを見に行くのだ。 HPで検索したら、小倉のS楽器に、それは置いてあると書いてあった。
午前11時40分。 「さて、何時頃家を出ようか」と思っていた矢先、携帯電話が鳴った。 ドコモショップからだった。 先日、FOMAの新機種について問い合わせをしていたのだが、それが入ったとのこと。 そのドコモショップも、都合よく小倉にある。 「じゃあ、後ほど伺いますから」と電話を切った。
実は、今ぼくは、毎月無駄なお金を払っている。 それは携帯電話である。 当初、ぼくの活動範囲でFOMAの電波が届かないことはなかった。 ところが、4月の改装でそうではなくなった。 ところが新しい売場の場所には電波の届かないのだ。
やむなく、ぼくは新しい携帯を持つこととなった。 遊びだけで持つのなら、別に買い足す必要もないのだが、半分は仕事に使っている。 5月のある日、隣の店長が「お前、何で携帯の電源を切っとるんか!」と怒鳴り込んできた。 「いや、切ってないですよ」と言いながらFOMAを見ると、『圏外』表示になっている。 「これはいかん」と思ったぼくは、昨年の12月まで使っていたムーバを復活させることにした。 つまり、携帯電話を2台持つことになったのだ。
仕事と遊びで携帯を分けるというのは、実に面倒である。 とはいえ、どちらも料金を払っている以上、使わないのはもったいない。 そこで、FOMAのほうはプライベート、ムーバのほうを仕事用と分けて使っていた。
数日前、ドコモから機関誌が届いた。 そこに、「FOMAのエリアでも、ムーバのエリアでもこの一台でOK!」という文字を見つけた。 FOMAの電波が入らないところは、自動的にムーバモードに切り替わるという代物である。 直感的に「これは買いだな」と思った。 この機種を手に入れることによって、ムーバのほうは解約出来る。 FOMAだと契約プランも安いので、そうすることによって月に6千円、年間7万2千円が浮く計算になる。
さっそく知り合いのドコモショップに電話した。 「今置いてありますか」 「いいえ」 「じゃあ、予約しますので、入ったら連絡下さい」 「はい、わかりました」 ということで、「入りました」という電話をもらったのだ。
午後1時の電車に乗って小倉に向かった。 最初に行ったところは、ドコモショップだった。 機種を見せてもらい、納得したところで、契約をした。
ところが、「しんたさん、誠にすいませんが」と言う。 「何でしょう」 「あのう、買い増し(FOMAの場合、買い換えとは言わない)期限がまだ来てないんですけど」 「え?」 「あと1ヶ月お待ち下さい」 今買うと、倍以上の価格になると言う。 しかたなく、8月に買う約束をして、ぼくは店を出た。
この時、何となく嫌な気がした。 「もしかして…」 その予想は当たった。 その後、S楽器に行ったのだが、お目当ての楽器は見つからなかった。 店の人に聞くと、「何ですか、それ」という感じだった。 「ネットで見たんですけど、北九州はここでしか扱ってないようになっているんですが」とぼくが言うと、店の人は「それは、更新されてないからでしょう」と訳のわからないことを言った。 更新されたからこそ、新しい楽器が載っているのではないか。 きっと彼の知識の中には、その楽器はなかったのだ。 だから、そんな受け答えしかできなかったのだろう。 ということで、ぼくはその店を立ち去った。
結局、何一つ目的が達せられなかった。 いったいぼくは、何をしにわざわざ小倉まで行ったのだろう? しかも、小倉では雨に降られて、ずぶ濡れになるしまつである。 そんな中で収穫があったもの、それは二つの『SPIRIT』だろう。 一つはタバコである。 福岡限定の『SPIRIT』というタバコを手に入れたこと。 もう一つはマンガ。 厳密に言えば『SPIRITS』であるが、そこで連載している『20世紀少年』の13巻が出ているのを見つけたことである。 しかし、こういうのは別に小倉まで行かなくても手に入ったわけだし… やっぱり損をした気分で一杯である。
|