| 2003年06月30日(月) |
しんたのブランド その1 |
【Leeのジーンズ】 ぼくは21歳から40歳まで、ずっとLeeのジーンズを愛用していた。 何度も言っているが、21歳の時、ぼくは東京にいた。 ある日、友人と代々木の街を歩いていると、ジーンズの即売会をやっているのに出くわし、興味本位でその会場に入っていった。 狭いながらも、いくつかのブランドがブースを作っていた。 最初は何も買うつもりがなかったので、ただ店の中をぐるぐると回っていたのだが、あるブースの前でぼくは動けなくなった。 そこに、ぼくが長い間イメージし続けてきたジーンズがあったのだ。 そのブースこそが、Leeのコーナーだったのだ。
とにかくファンションに関しては疎いぼくだったので、Leeと言われてもピンと来なかった。 当時ぼくの頭の中にあったジーンズのブランドは、あのエドウィンだけだった。 そこで、ぼくは友人に尋ねた。 「おい、Leeっちゃ何か?」 「有名なブランドだよ」 「リーというくらいだから、香港か韓国のものか?」 「いや、アメリカ製」 「ふーん」 値段を見ると、1万円を超えているではないか。 今でもそうだが、1万円を超えた衣服などを見ると、ぼくは構えてしまうのだ。 「えらく高いのう」 「いや、安いよ。これは」 「でも、1万円を超えとるやん」 「でも、これはお買い得だよ」 「へえ、そうなんか」 ぼくはしばらく悩んだが、買うことにした。 「よし、決めた!」 「え、買うのかい?」 「おう。どうせ買おうと思っとったけ」 ぼくは、バイトで稼いだ1万ちょっとのお金を出し、店の人に渡した。
それから40歳になるまで、ぼくはLeeのジーンズを愛用した。 とはいうものの、Leeを買い足していったわけではない。 その時に買った1本を、19年間はき続けたのである。 会社にはスラックスをはかなくてはならなかったし、家ではジャージをはいていた。 そのため、遊びに行く時以外は、ジーンズをはくことがなかった。 つまり、買う必要がなかったのである。
さて、40歳を境に、ぼくはLeeをはかなくなった。 というより、はけなくなったのだ。 理由は、あまり言いたくないが、ウエストが合わなくなったのだ。 Leeを買った当時のウエストは79センチ、40歳時のウエストは86センチだった。 これではとうていはけない。 ジーンズのほうもかなり痛んでいたので、渋々捨てることにした。
その後、Leeをはくことはなくなった。 40歳から6年間に買ったジーンズといえば、サンバード(長崎屋)製、ユニクロ製、それと最近買ったVAN製の3本である。 いずれも5千円以下の安物である。 確かにLeeは長持ちした。 だけど、もうジーンズに何万円もかける気はない。
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