やったー! ついに休める。 今月の19日からずっと出ずっぱりだったから、今日まで12日間休んでないことになる。 その間、朝7時に起き、8時半に家を出、9時に会社に着き、夜8時過ぎに会社を出、9時に家に帰り、翌午前3時に日記を書き終える生活をしていた。 実労10時間、しかも肉体労働。 睡眠時間4時間、しかも熟睡してない。 おそらく今までの人生の中で、こんなにハードな生活をやったことはないだろう。 しかし、それもやっと解放されるわけだ。 来月の6日に…。
そう、まだ休めんとですよ。 本当は明日休むつもりでいたのだが、どうも休めるような雰囲気ではない。 何人かの人に、さりげなく「いつ休みますか?」と聞いてみると、みな異口同音に「他の店から応援を出してもらっとるくらいやけ、しばらく休めんやろう」と言う。 ということで、泣く泣く明日の休みを取り消した。 あーあ、あと5日もこんな生活が続くのか。
17日間休みなし。 今まで、こんなに長く休まなかったことがあるだろうか。 あ、そういえば、浪人時代にやった中国展のアルバイトで、33日間休みなしで働いたことがあった。 それが最長ということか。 しかし、あのバイトは土日以外は暇で、いつもボーっとしていたから、それほど疲れはしなかった。
長崎屋でバイトをしていた時、23日間休みなしで働いたことがある。 ちょうどエアコンの売れる季節で、この時期に在庫を全部吐いてしまおうという意気込みで頑張った。 しかも、3日に一度は飲みに行っていたから、けっこうハードだったと言える。 とはいえ、肉体労働をしたわけではない。 あの時は、いつも在庫の数と格闘していたので、精神的に疲れていたわけだ。 意地になって休みをとらず、飲みに行ったに時まで「あと○台」「あと○台」などと言っているぼくを見かねた上司が、「しんた君、もう在庫のことはいいけ、明日は休みなさい」と言った。 最初は拒んでいたぼくも、最後には折れた。 明日一日休んで、また在庫と闘えばいいと思っていた。 ところが休みの翌日、店に行ってみると何か様子がおかしい。 上司に「どうしたんですか?」と聞くと、上司は「ああ、もうエアコンの季節は終わったよ」と言う。 「えっ? だって、おとといまであんなに売れてたじゃないですか」 「いや、不思議なもので、エアコンの場合は突然潮が引くんよね」
今でこそ冷房・暖房・除湿と年中使うものになっているが、当時のエアコンは『クーラー』という言葉が示すとおり、冷房専用がほとんどだった。 そのため、エアコン販売は梅雨明けの1週間が勝負となった。 エアコンの取付工事の人は、年収の大半をこの時期に稼ぐと言っていた。 パッと売れ出して、サッと売れなくなっていく。 まるで、花火のようなものだった。 その時期にいかに見事な花火を打ち上げるかが、担当者の腕の見せどころだった。
このことを知った時、ぼくはエアコン販売に『男のロマン』のようなものを感じた。 ぼくがその後家電販売の道を選んだのも、この時感じた『男のロマン』が大きく影響している。
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