ここしばらく履歴書にかかりきりで、近況の報告が出来てない。 ということで、今日は近況報告をすることにする。
「胃の痛い話」 10日ほど前に、突然胃のあたりが痛くなり、その状態がずっと続いている。 これまでも胃が痛いことは何度かあったが、その時は何も気にせずに、痛いままで放っておいた。 それがよかったのか、何日かすると、そのまま何事もなかったように痛みは治まってた。 しかし、今回はちょっと事情が違う。 胃の痛みを気にしているのだ。
実は今、高校の同級生が病院に入院している。 先週見舞いに行ってきたのだが、ずっと点滴を受けていて、百何十時間も胃の中に何も入れない状態が続いているということだった。 なるほど、首の付け根のところに管を通され、そこから点滴を受けている。 動くのは自由らしいが、動く範囲が、その点滴の機械の周りだけに限られていて、まるでつながれた犬のようだった。 なぜこんなことになったのか、彼に話を聞いてみると、「腹が痛くなったので病院に行ったところ、そのまま入院させられた」ということだった。 「今はどうあるのか」と聞くと、「今は全然痛くない」とのこと。 「じゃあ、もう1週間くらい痛みを我慢してから病院に行っとったら、『急性胃炎』で片付けられたかもしれんのう」 「ああ。おそらくそうなっとったやろう」
ぼくが胃の痛みを覚えたのは、彼を見舞いに行く何日か前からだった。 彼を見舞っている最中も、胃がちくちく痛んでいた。 しかし、病人を前にして、病人面するわけはいかない。 いかにも健康なふりをして、ぼくは彼を見舞ったのだ。 が、彼から病気の説明を聞くたびに、自分の症状と照らし合わせていた。 さらに、彼のその時の犬のような姿、胃カメラを受けた時痛かったという話、CTスキャンまで受けたという話、そういうものがぼくの恐怖心を煽った。
それ以来、胃の痛みが気になって、気になって。 ここ何日かは、酒を控える、たばこを控える、腹を冷やさない、なるべく牛乳を飲む、といった生活をしている。 しかし、一向に胃の痛みは治まらない。 朝方よくても、昼からまた痛くなる。 そこで、今日その方面に詳しい人に、思い切って聞いてみることにした。 「みぞおちのあたりが痛くて、胃が張ったような感じがするんやけど、これは何かねえ?」 「ああ、それは神経性胃炎やろ」 「神経性胃炎?」 「うん、私も同じような症状が続いたことがあって、その時病院に行ったら、そう言われた」 「どうやったら治るんかねえ」 「気にせんことよ」 痛いから気になるのに、それを気にするなというのは難しいことである。 いったい、どうしたらいいのだろう?
「クリスマスプレゼント」 うちの店でアルバイトをしている学生に、Iというのがいる。 今日食事が終わって、食堂の後片づけをしていると、Iが入ってきた。 一人で頭を抱えている。 どうしたんだろうと思って見ていると、突然「しんたさんも、プレゼント買うんでしょ?」と聞いてきた。 「プレゼント?」 「クリスマスのですよ」 「いいや、買わんよ」 「えっ!?」 「何で、クリスマスだからといって、プレゼントなんか買わないけんとね」 「でも、クリスマスですよ」 「あんたんトコ宗派、何?」 「浄土真宗ですけど」 「なら買う必要ないやん。うちも真宗やけ」 「考え方が古いですね」 「古いかねえ。クリスマスやけ、プレゼント買わないけんと思っとるほうがおかしいと思うけど。そんな偏った常識に縛られるけ、頭を抱えないけんとよ」 「そうですかねえ」 「ああ、そうよ。プレゼントなんかあげんで、お経でもあげとき」 そう言って、ぼくは食堂を出た。 Iはまだ頭を抱えていた。
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