今日は早出だったため、8時過ぎに会社に着いていた。 売り出しの準備が一通り終わって、暇をもてあましているところに、隣の売場のKちゃんがやってくるのが見えた。 Kちゃんはぼくに気づいてない様子だったので、ぼくはKちゃんの売場に行って、身を隠していた。 Kちゃんが売場に入ってきたら、脅かしてやろうと思っていたのだ。
こういうのはタイミングの問題である。 Kちゃんとの間合いを測り、Kちゃんがちょうどいい位置に来た時、ぼくは猛然とダッシュした。 ところが、遭遇する予定の場所にKちゃんはいない。 「えっ!?」と思い、Kちゃんを目で探した。 その時だった。 ツルッ!。 まさしく「ツルッ」という感触だった。 右足が滑ってしまったのだ。 ダッシュで勢いづいているぼくの体は、野球のランナーが滑り込むような姿勢で倒れ込んだ。 倒れ込むと同時に、左足が、前にあったショーケースを蹴っていた。 「ドターン!!」という大きな音がした。 この音にはKちゃんだけでなく、周囲にいた人全員が驚いた。 まあ、当初のKちゃんを驚かすという当初の目的は達成したのだが、おかげで今つらい思いをしている。。 受け身をとったので、頭や背中を打たなくてすんだのだが、久しぶりの受け身で肩を痛めてしまったのだ。
学生時代は柔道で倒し倒されを毎日やっていたので、転ぶようなことがあっても大したことはなかった。 自転車で事故にあった時も、5メートルほど飛ばされたにもかかわらず、かすり傷を負った程度ですんだ。 後日後遺症の出るようなこともなかった。 しかし、柔道をやらなくなってから、もう20年以上になる。 当然、転ぶコツも忘れている。 受け身のとりかたも下手になっている。 体も硬くなっている。 今回は、骨に異常はなさそうだから、日常生活には支障がないとは思うのだが、じめじめした痛みと闘わなければならない。 さて治るのにどのくらい時間がかかるのだろうか。
そういえば、最近理由もなく痛みが走ることがよくある。 突然痛みに、その時は「何でだろう?」と首をかしげているのだが、後日その痛みが、その何日か前に打撲していた箇所だったり、何日か前の運動疲れだったり、ということを思い出す。 痛みの伝わり方が遅いのも困ったものだが、その原因をすぐに思い出せないというのは、もっと困ったものである。 ああ、歳はとりたくない。
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