昼食の時、新聞(毎日)を読んでいると、2ページにわたって『九州山口 地方で頑張る日本一の元気企業』という特集が載っていた。 そこには、九州山口に本社があり、何らかの分野で日本一を持つ企業名が羅列してあった。 我が北九州からは、「三井ハイテック」「安川電機」「TOTO」「ゼンリン」の名があがっていた。 「三井ハイテック」はIC部門で日本一らしい。 また、「安川電機」は産業用ロボットで日本一とのことだった。 「三井ハイテック」や「安川電機」は知らない人もいるかもしれない。 しかし、「TOTO」「ゼンリン」は説明の必要がいらないほど、有名な企業である。 特に「TOTO」に至っては世界一である。
まあ、どの企業が日本一などということは、どうでもいいことだ。 今日ぼくが問題にしたいのは、そういう企業が地元にどれだけ貢献しているか、ということである。 確かに、市や県には貢献しているだろう。 税金をたくさん払っていることだし、市が主催している、いろいろなイベントにも参加している。 では、市民県民レベルではどうなのだろう。 例えば、「TOTO]の本社が市内にあるから、市民は『ウォシュレット』を安く手に入れることが出来るのか。 「ゼンリン」の本社があるから、カーナビや住宅地図が安く手にはいるのか。 そういうことは全くない。 ぼくたち市民は、全国の相場で買っている。
また、地元に関連のある企業も同じことが言える。 東芝の電球を作っている工場があるが、北九州市民は東芝の電球を全国の相場で手に入れている。 三菱化学の最大規模の工場がここにはあるが、そこで作っているCD−Rを横流ししてもらっているという話は聞いたことがない。 まあ、八幡製鉄所発祥の地だからといって、個人で鉄を格安で手に入れようとする人はいないとは思うが。
これは北九州に限ったことではない。 辛子明太子の「ふくや」。 ここは福岡市で名前があがっていたが、福岡市民が『ふくやの辛子明太子』を安く手に入れているという話は聞いたことがない。 『ブリジストンタイヤ』を、いくら創業者の出身地だからといって、久留米市民が安く買っているというのも聞いたことがない。 出光の創業者は宗像の出身だが、恩恵を受けているのは宗像大社だけで、その地のガソリンが決して安いわけではない。 県内にトヨタや日産の工場があるからと言って、そこの車を安く手に入れることは出来ない。 それが出来るなら、迷うことなく、工場まで行って車を買うだろう。
何が言いたいのかというと、「市民に貢献して下さい」ということだ。 市民を無視して、何が元気企業だ。 手前味噌なことばかりやって、市民に元気を与えられるとでも思っているのだろうか? お酒だって、酒蔵に行けば安く手にはいるのだ。 どうして企業にそれが出来ない。 そうすることによって、企業と地元のつながりも出てきて、ちょっとしたアイデアや情報の提供、つまり地元の人から元気をもらえることになる。 元気企業とは、地元の人に愛されるの企業のことだ、とぼくは思っている。
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