いよいよ11月になった。 11月はぼくの誕生月なのだが、ぼくにとってあまり良いイメージの月ではない。 振り返ってみると、この月はそれほどいいことがなく、かといって悪いこともなかった。 なぜ良いイメージがないのかと考えてみると、それは天候が大きく作用しているように思われる。 ぼくの記憶の中の11月の天候は、曇りのち時雨、時々晴れである。 今日の天気がいい例だ。 午前中は今にも振り出しそうな天候だった。 午後からは晴れたものの、快晴状態はあまり続かず、大半は雲の合間に青空が覗いていた程度だった。
小学生の頃は、よく誕生会をやっていたが、決まって雨が降っていた。 その後も、誕生日といえば、曇りか雨である。 東京にいた頃、仲間が誕生日を祝ってくれた時も、そういう天候だった。 それに加えて、これといったいい思いもしてない。 高校の頃、誕生日にある友人から、最悪のプレゼントを受け取ったことがある。 その友人が、「彼女ができた」と言うのだ。 「ふーん、よかったやん。で、誰?」 「○子」 (え・・・!?) ぼくは顔では表情を変えなかったが、心の中は真っ暗になった。 「○子」、ぼくの好きな人の名前だった。 その日も雨だった。 ぼくはけっこうイメージを引きずるほうなので、ぼくの持つ11月のイメージというのは、そういう誕生日の思い出からきているのかもしれない。
ああ、もう一つあった。 ぼくの住む八幡地区には、11月に八幡製鉄所の創業(1901年11月18日創業)を記念した、起業祭という祭がある。 この祭の間、八幡製鉄所の工場見学ができ、街にはたくさんの出店が出る。 今は行われなくなったが、以前はサーカスやモーターショーなどもやっていた。 現在、この祭は11月2日から4日まで行っているが、以前は創業日を尊重して、17日から19日まで行っていた。 中日の18日は学校も休みだった。 小学生の頃、17日になると、先生が校内放送で「明日は起業祭で学校はお休みです。・・・。起業祭に行く人は、厚着をして行くように」と言っていた。 起業祭の頃は寒かった。 ぼくもコートやオーバーを引っ掛けて、出かけたものだった。 今でも、ぼくの年代から上の人は、よく「昔は起業祭には雪が降りよった」と言う。 たしかにその頃は、よく雪やみぞれが降っていた。 寒いのが大嫌いなぼくが、そんな寒い時期の祭にいいイメージを持っているはずがない。
そういう、あまりいいイメージを持ってない誕生月、11月が今日から始まった。
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