2002年10月15日(火) |
シャミン党一座 秋桜祭 |
テレビ局で ヨーコ「ねえ、マスゾエ君。キム・ソーショキって何者?」 マスゾエ「え、先生知らないの? 北の最高指導者じゃないか」 ヨーコ「それって、『親愛なる指導者同志』じゃないの?」 マスゾエ「北の人はそう呼んでいるらしいね」 ヨーコ「じゃあ、キム・ソーショキって、『親愛なる指導者同志』のことなの?」 マスゾエ「ああ、そうだよ」 ヨーコ「・・知らなかった」 マスゾエ「知らなかったって、君のいるシャミン党と北とは、大の仲良しじゃないか」 ヨーコ「いや、うちの党では、みんな『親愛なる指導者同志』って呼んでいるのよ。きっと名前なんか知らないわ」
シャミン党本部で トンちゃん「やあ、おタカさん久しぶり」 おタカ「あーら、トンちゃん先生。お元気そうで」 トンちゃん「ところで、北のキム・ソーショキなる人物が拉致を認めたとニュースで言っておったが、いったいキム・ソーショキって何者なんだ?」 おタカ「そうそう、今党本部では、そのことでもちきりなんですよ」 トンちゃん「よくあんな卑劣な奴を、『親愛なる指導者同志』が北の代表としてコイズミと合わせたもんだなあ。聞くところによると、あの不審船も、テポドンも、そのほかのテロ行為も、すべてキム・ソーショキという男の仕業と言うじゃないか」 おタカ「『親愛なる指導者同志』も、さぞ心を痛めておられることでしょう」 トンちゃん「でも、『親愛なる指導者同志』はあれだけ偉大なお方だ。きっと何か深いお考えを持っておられるのだろう」 おタカ「きっとそうですね」
ミズホ「党首、大変です」 おタカ「どうしたの?」 ミズホ「ヨーコ先生が離党すると言ってます」 おタカ「え!? こんな大事な時期に、何を馬鹿なことを。ヨーコを呼んできなさい」 ・・・・・ ヨーコ「何か用ですか?」 おタカ「用ですかはないでしょ。あなた離党すると言ったらしいわねえ」 ヨーコ「ああ、言いましたよ」 おタカ「何か党に不満でもあるの?」 ヨーコ「大アリです! 党の人は、誰も私に『親愛なる指導者同志』がキム・ソーショキだと教えてくれなかったじゃないですか。私、大恥かいたんですよ」 おタカ「何馬鹿なことを言ってるの。わが『親愛なる指導者同志』が、あの悪党のキム・ソーショキなわけないじゃないの。誰がそんなデマを飛ばしているの?」 ヨーコ「ジミンとかミンシュの人。アサヒにもそう書いてましたよ」 おタカ「ジミンやミンシュならともかく、あれだけ『親愛なる指導者同志』のお世話になっているアサヒが、そんなこと言うわけないじゃないの。そんなこと信じちゃだめよ。あなたはすぐに洗脳されるんだから」 ヨーコ「タケシさんもオータケさんも言ってましたよ。あとマスゾエ君も」 おタカ「あなたもキヨミちゃんと同じね。私よりも党よりもテレビを信じるのね。わかりました。辞めるのなら、勝手に辞めなさい。ついでに議員もね」 ヨーコ「何で議員まで辞めないとならないんですか?」 おタカ「考えてごらんなさい。あなたはシャミン党の看板があったからこそ議員に選ばれたんでしょ」 ヨーコ「言わせてもらいますけど、シャミン党は、私のおかげで議員数を増やせたんじゃないですか」 おタカ「もう好きにして。せっかく力を合わせて『親愛なる指導者同志』の理想をこの国に実現しようと約束したのに。二度と私の前に現れないでちょうだい!」
おタカ「・・・ということで、ヨーコには辞めてもらいました」 トンちゃん「おう、それがよかろう。しかし、これも元はと言えばあの憎きキム・ソーショキのせいじゃ」 おタカ「トンちゃん先生、先生は北に顔が利くんだから、一度キム・ソーショキにガツンと言ってやったらどうですか?」 トンちゃん「わしもそれを考えていたところじゃ」 おタカ「誰か、北に電話して」 ・・・・・ ミズホ「つながりました」 おタカ「トンちゃん先生、つながりましたよ」 トンちゃん「よし!」 ・・・・・ トンちゃん「あ、もしもし、わしは日本のシャミン党のトンちゃんというものじゃが」 北「あ、トンちゃん先生でいらっしゃいますか。その節はどうも」 トンちゃん「われらの『親愛なる指導者同志』はお元気でいらっしゃいますか?」 北「『親愛なる指導者同志』におかれましては、ご健勝にてあらせられます」 トンちゃん「おお、それはよかった。あのお方は人類の太陽じゃ。わしは、いやわが党は、あのお方こそ、この混乱の世界を救う救世主だと思っとる。よろしくお伝え下され。ところで、最近日本でキム・ソーショキが、日本人を拉致をしたと言った、と騒ぎになっておるが」 北「『親愛なる指導者同志』が、そんなことをするわけないでしょうが」 トンちゃん「そうじゃろう、そうじゃろう。『親愛なる指導者同志』がそんなことをさせるはずがない。おかしいと思ったよ」 (トンちゃん「おタカさん、思ったとおりじゃ。拉致はキム・ソーショキのデッチ上げだったぞ」 ) (おタカ「やっぱり」) トンちゃん「ところで、キム・ソーショキ君はいるかね」 北「え、誰ですか?」 トンちゃん「キム・ソーショキ君だよ、キム・ソーショキ。いないのかね?」 北「先生、たちの悪い冗談はやめてください」 トンちゃん「何がたちの悪い冗談かね。わしはキム・ソーショキを呼べと言っとるだけじゃ」 北「キム総書記様に、どんな御用でしょうか?」 トンちゃん「最近のキム・ソーショキの行動は目に余るものがある。『偉大なる指導者同志』の顔に泥を塗らないように、ひとつ意見をしてやろうと思ってな。ハハハ」 北「・・、ガチャ!!」 トンちゃん「・・・」 おタカ「先生、どうされました?」 トンちゃん「ちっ、切られてしもうたわい。何か気に障ることでも言ったかのう?」
ミズホ「党首、シャミン党のサイトに『拉致はデッチ上げだ』という文章が載っている、と言って世間で大騒ぎしています」 おタカ「だって、デッチ上げなんだからしかたないだろ」 ミズホ「キム・ソーショキが拉致を認めているのに、何でそんな文章を載せるのか、と言ってます」 おタカ「だから、拉致はキム・ソーショキのデッチ上げだと言ってるだろうが」 ミズホ「いや、サイトには『拉致は韓国の安企部によるデッチ上げ』となっているのですが」 おタカ「じゃあ、キム・ソーショキと書き直しとけばいいだろ」 ミズホ「それでいいんですか」 おタカ「ああ、それでいい。それで誰も文句を言ってこんだろう」
おタカ「トンちゃん先生、最近の若い者は常識を知らなくて困りますわ」 トンちゃん「本当じゃ。早くわが『親愛なる指導者同志』の理想をこの国に作り上げねば、大変なことになってしまうのう」 おタカ「我々はまだ引退できませんね」 トンちゃん「そのとおりじゃ」 おタカ「そのためにも、早くあの憎きキム・ソーショキをどうにかしないと」 トンちゃん「そうじゃ。わが『親愛なる指導者同志』のためにも、のう」
― 幕―
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