頑張る40代!plus

2002年10月07日(月) 名前にこだわる人

ぼくのハンドルネームは、本名をもじってつけている。
前にも言ったが、「しんた」がその本名をもじったほうだ。
さて、何と言うでしょう?

あ、今日はそういうのがテーマではなかった。
昨日、売れ筋商品の在庫が切れていたので、注文することした。
発注は、店名・担当者名・商品名・型式及び数量を注文書に書いてFAXを流すだけの簡単なものである。
そこにぼくは必要事項を書き込み、最後に担当者名を「しんた」と書き入れて流した。
もちろん昨日は日曜日なので、納品に対する返事は来なかった。
ということで、今日その返事が来たわけだが、納品日は10月8日になっていた。
普段はその納品日を確認すると、あとは書類入れの中に入れてお終いなのであるが、今日はちょっと事情が違った。
その返信用紙のある一点に、ぼくは目が釘付けになってしまったのだ。
その一点とは、宛名のところだった。
何とそこには、「トンタ サマ」と書いてあったのだ。
『これは笑える。誰かに見せないと』とぼくは思い、隣の売場に見せに行った。
「おーい、これ見てみ」
「え?」
「何か変やろ」
「どこが? 送信元N社やろ、10月8日お届けやろ。別に変じゃ・・。あ、何これ! ハハハ、とんた様、ハハハ・・・」
しかし、どうして「しんた」が「とんた」になるのだろう。
発注書を見返してみたが、ちゃんと「しんた」になっている。
誰に見せても、「しんた」だと言う。
仮にFAXで文字が流れたにしろ、これを「とんた」と読む人はまずいないだろう。
しかし、N社の人だけが「とんた」に見えるのだ。
一度、お会いしてみたいものである。

ところで、ぼくの名前はよく読み間違えられる。
もちろん漢字で書いた場合だが、当用漢字的な読み方をすれば、まず間違えるようなことはない。
ところが、どういうわけか、変に難しく読む人がいるのだ。
何人かに一人は、「えーと、何とお読みしたらいいんですか?」と聞いてくる。
ぼくは『おいおい、素直に読めよ』と思いながらも、「しんたと読みます」と答えている。

最初にやられたのは高校の頃だった。
2年の時、保健委員を決める選挙で、ひらがなで「しんか」と書いた人がいる。
「しんた君。しんた君。・・・。しんか・・、え、何これ?」
もちろん爆笑である。
その選挙が終わってからしばらくの間、意地の悪い友人から「おい、しんか」とぼくは呼ばれていた。
また、東京にいる頃、下宿のおばさんは最後まで正しく呼んでくれなかった。
最初は気にならなかったのだが、あまり頻繁に間違えるので、一度注意したことがある。
おばさんは、「ああ、そうだったね」と言って詫びたが、次に呼ぶ時はまた元に戻っていた。
もう二度と注意する気にはならなかった。

前の職場にいた時、上司に「上島」さんという方がいた。
「うえじま」と読むのだが、この人はこだわる人だった。
FAXの返信用紙に「ウエシマ」と書かれていたら、さっそく送信元に電話をかけて「さっきFAXが流れてきて、『ウエシマ』と書いてあったんだけど、ぼくは『ウエジマ』です。ちゃんと覚えとって下さい」と言っていた。
一度返信用紙に、「ウレシマ サマ」と書かれていたことがあった。
彼の顔色は見る見る変わっていった。
もちろん、即電話である。
「今FAXを流した人は誰ですか。ぼくはねえ、『ウレシマ』じゃない!どこをどう読んだら『ウレシマ』になるんですか!ぼくは『ウエジマ』なんです」と文句を言っていた。
「馬鹿が。別にそんなこと、どうだっていいやん」と思いながら、ぼくはその面白いやり取りを聞いていた。

昔ドラマで「ムー一族」というのがあったが、その中で樹木希林が名前にこだわる人の役をやっていた。
「カネダさん」
「カネ『タ』です」
学生の頃には、よくこんなこだわりを見せる人がいた。
最近はこういう光景を見る機会も少なくなったが、たまにこういう人を見かけると、ぼくは面白がって、そのやり取りを聞いている。


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