頑張る40代!plus

2002年09月25日(水) イメージ

ぼくの身長は177.8cmである。
10年前に測ったものだから、もしかしたら今はもう少し低いかもしれない。
この身長は世間一般から見れば高いのだという。
なるほど、職場では若いアルバイトも含めて、ぼくが一番背が高いようだ。
しかし、自分では決して高い身長だとは思ってはいない。
まあ、物理的にまだ高い人がいるからというのもあるが、ぼくはこれを小学校以来のイメージが残っているからだと思っている。
ぼくは小学校の頃から、背はだいたい真ん中より少し後ろ位だった。
これは中学校に行っても変わらなかった。
おそらく高校1年の頃まではそうだったと思う。
高校2年の頃は、体育や集会の時、背の順とは言いながらも適当に並んでいたので、身長ことを考えたことはなかった。

初めて背が高いと思ったのは、高校3年になった時だ。
全校集会の時だったか、先生が「ちゃんと背の順に並べ」と言った。
その時ぼくは自分の持っているイメージ通り、真ん中から少しうしろのほうに並んだ。
するとその後ろのやつが、「しんた、お前もっとうしろやろ」と言った。
ぼくは「そんなことはないやろう」と言って、そいつと背を比べてみると、なるほどそいつより高い。
それから、背を比べながら後ろに下がっていくと、なんとうしろから2番目まで来てしまった。
「おれ、こんなに高かったかのう」と狐につままれた気持ちになったものである。

しかしながら、自分の持っているイメージというのは、そうそう変わるものではない。
いくら背が高いと言われても、実際にその数字を示されても、相変わらずぼくの身長は、「真ん中から少しうしろ」なのである。
おそらくそのイメージというのは、一生変わらないだろう。

15年ほど前に、自分の持っているイメージを変えようと試みたことがある。
アメリカの自己啓発の本に、「私は小さい頃、痩せっぽちだった。そういう自分が嫌いだった。どうにかして『太っちょ』と呼ばれたいと思っていた。そして、自分が『太っちょ』である、というイメージを抱くことにした。何年か後、人から『太っちょ』と呼ばれるようになった(訳者はもっと気の利いた言葉を使えなかったのだろうか。『太っちょ』などという言葉はふつう使わんだろう)」と書いてあった。
これを読んで、ぼくは「ふーん、イメージで体格が変えられるなら、一度試してみようか」と思い、やってみることにした。
しかし、イメージを持つというのは大変なことである。
まず、自分がどうありたいのか、というのを決めなければならない。
その上で、そうなった自分を想像しなければならない。
どういう自分になろうか、といろいろと考えてみた。
その結果、自分を大きく見せようと思うに至った。
身長はもういいからと、全体に厚みのある自分をイメージしてみることにした。
1ヶ月位やったろうか、そのうち、そういうイメージを持つことが面倒になってしまい、やめてしまった。

ところがである。
それから5年ほど経って、その効果が出てきたのである。
ぼくの体は、徐々に厚みを増していった。
痩せ気味だった体重も増えてきた。
それを自覚した時、「やはりイメージを持つということは大切なんだ」と、ぼくは思ったものだった。
ただ惜しいことに、お腹の周辺に厚みが集まった後、次第にその効果が薄れてきた。
ということで、今はお腹だけが極端に厚みのある、変な体型になってしまっている。
これも、1ヶ月しかイメージを持たなかったせいだろう。
残念である。


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