昨日は、銀行に行った旨を話したが、そのあとで、ぼくは久しぶりに駅ビルに行った。 あてもなくビルの中をウロウロしていたのだが、一軒気になる店を見つけた。 駄菓子屋である。 まあ、駄菓子屋といっても、ぼくが子供の頃に行っていた汚い駄菓子屋とはかなり違う。 店の中はきれいで、商品も埃にまみれているようなことはない。 いかにも「駄菓子屋でござい」というような店作りになっているが、何か物足りない。 それは、こういう店の主役である子供がいないということだ。 駄菓子屋とはいうものの、来ているお客は、みな昔を懐かしむ大人ばかりなのだ。 たまには子供も来るのだろうが、ブランド物で身を固めているような子供はこういう店に似合わない。 やはり駄菓子屋には、ランニング姿の日焼けしたガキや、ひざに赤チンを塗りたくった赤チン小僧や、青っ鼻の鼻たれ小僧がよく似合う。 駄菓子屋をよく知る世代の人間としては、そのへんが寂しい。
昔とあまり変わってないものも売っていた。 『ココアシガレット』『コリスガム』『フィリック・ガム』『えびせん』などなど。 「ふーん、こういうのもまだあるんだ」と懐かしがって商品を見ていった。 と、そこに意外な物を見つけた。 『前田のクラッカー』である。 あんかけの時次郎(藤田まこと)の「おれがこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー」で一世を風靡した伝説のクラッカーが、まだ売られていたのだ。 コンビニやスーパーに行っても、『前田クラッカー』は置いてない。 もはやこういう店にしか売ってないのだろうか。 中学か高校の頃にラジオで、藤田まことが前田製菓のCMをやっているのを聴いたことがある。 それが何のCMかは忘れたが、クラッカーではなかった。 「前田の○○。最近はこれですわ」と言っていた。 これを聴いて、ぼくは「前田製菓はまだやっているのか」と小さく感動したのを覚えているが、昨日の感動はそれ以上のものがあった。
メンコ、ビー玉、コマ、奴凧も健在だった。 しかし、こういうものを買う人は、別にそれで遊ぶわけではないだろう。 おそらく、部屋のインテリアか何かに使うのだと思う。 もしこういうもので真剣に遊んだら、体内の脂肪も少しは減るのかもしれない。 ぼくの性格上、痩せるために何かをしたのでは長続きしない。 何かをやった結果痩せたという方法でなければ、痩せることは出来ないと思っている。 その「何か」をいつもぼくは探している。 もしかしたら、メンコやビー玉がそれなのかもしれない。 誰か仲間を見つけて、こういうのをやってみようかなあ。
おっと、もう午前8時半を過ぎているじゃないか。 早くしないと遅刻してしまう。 では、これで。
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