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2002年08月26日(月) 秋山引退

今日は、月曜日ということもあり商品の入荷が少なかった。
また、昨日で売出しが終わったため、午前中からわりと暇だった。
午後になってからも状況はあまり変わらず、「さてちょっと早いけど、食事にでも行こうか」と思っていたところ、例の万引きじいさんが来たとの情報が入った。
店の外にあるベンチに座って、こちらをしきりに窺っている。
隙あらば、ということだったんだろう。
ぼくは、わざとじいさんの目に付くところに立っていた。
じいさんは、ぼくに気づくと慌てて下を向いた。
じいさんを牽制した後で、ぼくは、じいさんが立ち寄りそうな売場に声をかけ、警戒するように言った。

それから一時してからのことだった。
一通のメールが、ぼくの携帯電話に入った。
着信音で、そのメールが、ホークスTOWNからのメールであることがわかった。
「あれ? 今日はデーゲームやったかのう」と思いながらメールを開いてみると、そこにはショッキングな文字が躍っていた。
『秋山幸二引退表明』
ぼくは7月頃から、なんとなくそんな気がしていた。
以前の秋山と何か違う。
打球も伸びないし、守備にも精彩がない。
これはシーズン後の引退もありえるなあ、と思っていたところだった。
ああ、ついに引退か。

夕方のローカルニュースは、どのチャンネルを回しても「秋山引退」一色だった。
王監督のコメント、選手のコメント、秋山のお母さんのコメント、街の声などなど。
あのNHKでさえ、時間を割いて秋山の特集をやっていた。
仮に主砲小久保が、今やめたとしても、ここまで大きく扱ってはくれないだろう。
それだけ、秋山の業績は大きかったと言える。
たしかに西武から移籍してきた当初は、覇気を感じず、だらしなく映っていたものだった。
しかし、年を追うにつれ、秋山はチームに、いや九州になくてはならない存在になっていった。
3年前、西武の松坂から、顔面にデッドボールを受け骨折した時だって、翌日彼はベンチに入っていた。
われわれファンとしては、それだけでもありがたかった。
彼の記録もさることながら、それ以上に存在感のある選手だったと言えるだろう。

ところで、ぼくが秋山のことを思う時、どうしても思い浮かぶ人がいる。
それは、かつて史上最強のチームと言われた西鉄ライオンズの主力打者、大下弘である。
秋山と大下、この二人の選手はよく似ている。
どちらもホームランバッターである。
どちらも存在感のある選手である。
また、どちらも全国区の選手になった後に、この福岡の地にやってきて、チームの黄金期作りに力を尽くした選手である。
そして、チームの黄金期が去った後に、引退した選手である。
(ぼくとてホークスはこれからのチームだと思う。しかし、今年の戦い方を見た限りでは、一時代が終わったと思わざるを得ないだろう)

秋山はこれからどうするのだろうか?
本人は未定だと言っていた。
まあ、あれだけの選手だから、いろいろ声もかかるだろうとは思う。
ただ間違っても、解説だけはしないでほしい。
無駄口を叩かない人には、解説者は勤まらないのだから。
まだまだマスターズリーグに行くには早すぎる。
ぼくとしては、ダイエーに残って、次の黄金期を作る後進を育ててもらいたいと思うのだが。


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