2002年08月25日(日) |
不器用なりに、かっこよく |
ぼくは何をやらしても不器用な男である。 先日話した、図画にしろ工作にしろ、まったく駄目である。 字も生まれつきではないかと思えるほど下手で、長崎屋にいた頃にDMの宛名書きをしたことがあるのだが、上司がぼくの字を見て呆れてしまい、「しんたはもういいから、売場に戻って」と言われたこともある。
不器用さ、これは人生においても言える。 まず、目上に対しての付き合いが下手である。 前の会社にいた時、人事部長に言われたことがある。 「あんたは世渡りが下手やねえ。もう少し目上の人との付き合いをうまくせんとね」 ぼくも、ここで「はい」とか「気をつけます」とか返事をしておけばよいものを、「気が合わんのやけ、しょうがないでしょう」と言ってしまった。 その時の人事部長の不愉快な顔を今でも忘れない。 中にはそんなぼくを理解してくれる人もいる。 しかし、大半の上司はぼくを嫌っていた。 それも徹底的に。 何度「しんたを辞めさせろ」と言われたかわからない。 それでもぼくは、そんなことに頓着せず、平気で上司の気に障ることばかり言っていた。 お中元やお歳暮を贈ったことがないのはもちろん、暑中見舞いや年賀状すら出したことがない。 それでも何とか人並みに昇進して行ったのは、運の部分が大きく作用していると思われる。 なにせ、姓名判断上ぼくの名前は「実力派」の暗示があるのだから。(笑)
さて、ぼくにはさらに不器用なことがある。 それは恋愛である。 わりと女性とは頓着なくしゃべるほうであるが、いざ好きな人の前に出ると、うまく自分を表現できない。 20歳の頃に、同じバイト先の年上の人を好きになったことがある。 バイトの先輩から「押しの一手で、どんな女でも落ちる」と言われて奮い立ち、バイト帰りに告白を決行した。 彼女が前を歩いていた。 ぼくはダッシュで追いかけていき、彼女の肩をドンと押した。 そして「ねえ、付き合って」と言った。 当然断られた。 そのことを先輩に言うと、「あほか、おまえは」と嘲笑われた。
むかし、友人が気を利かして、当時ぼくが好きだった人といっしょに飲める場をセッティングしてくれたことがあるのだが、そんな時に限ってぼくは無口になってしまう。 ぼくは彼女と目を合わせることもなく、「ああ、頭が痛い」と言ったっきり、黙りこくってしまった。 その後も何度かチャンスがあったが、わけのわからない行動に出たりして、結局彼女とは付き合うこともなく終わってしまった。
ぼくは、河島英五の「時代おくれ」という歌が好きである。 「不器用だけれど 白けずに / 純粋だけど 野暮じゃなく」というフレーズが特に好きである。 この歌を聴くと、「不器用なりに、かっこよく生きてやろうじゃないか」という気持ちになる。 そういう気持ちが、このサイトを始めた動機でもある。 まあ、こういう不器用男ですけど、末永くご愛顧下さい。 (ケッ、上手く言えんわい)
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