7月20日の日記で書いたが、夏休みに入ってからほとんど毎日、ガキが店内を走り回っている。 こちらも気がついたら注意をしているが、到底追いつかない。 店に来たガキは、みな走り回っているからだ。 走り回っているのはガキだけではない。 ある程度分別があると思われる、中学生や高校生までが走り回っている。 声変わりしたむさくるしい男たちが、大声を出して騒いでいるのは不気味なものがある。
今日頭に来たことがある。 いつものようにガキが走り回っていた。 3,4歳の子だった。 ふらふらして危ないので注意しようと思ったら、何といっしょに遊んでいるのは、その子のじじいだった。 追いかけっこをしているのだ。 家の中でやっていることを、何も店に来てまでやることはないと思うのだが。 仮にその子がこけたりして、大怪我をしたとしたら、その責任は誰がとるんだろうか。 おそらくじじいは、責任逃れをするに違いない。 そして、店の管理がなってない、となるだろう。
夕方のこと。 ぼくがテレビの前のカウンターで伝票整理をしていると、小学生のガキがやってきた。 そして「あ、テレビ。イス借りよう」と言って、勝手にイスを持っていこうとした。 ぼくは「だめ!」と言った。 するとそのガキは、「ふーん、だめなんか」と言って、テレビの前にだらしない格好で座り込んだ。 しばらく黙って見ていると、その子の弟がやってきた。 弟も同じようにテレビの前で座り込んだ。 そのうち兄弟で寝転んでじゃれあいだした。 ぼくが「そんなところで寝転んだら、他の人に迷惑がかかるやろ。立ちなさい!!」と怒鳴ると、その子たちはサッと立ち上がった。 そして、へらへら笑いながらどこかに行った。 おそらく、親に「テレビ見てたら、店のおいちゃんから叱られた」と報告しにでも行ったのだろう。
ぼくは常々、いかに小さな子といえども、一歩外に出たら社会の一員であると思っている。 外で家の延長をやられると、周りの人が迷惑する。 自分の子供や孫は、かわいいから許されるとでも思っているのだろうか。 かわいいと思うのは当事者だけなのだ。 周りの人には憎たらしいガキとしか映らないのだから、外では外でのしつけをするべきである。
前の会社にいた時、壁とエスカレーターの間に挟まれて、怪我をした子供がいた。 命に別状はなかったのだが、鎖骨を折る重傷だった。 こういう場合、親が「この店の安全管理はどうなっているのか!」と怒鳴り込んでくるのが普通である。 が、この子の母親は違った。 翌日「このたびは息子が迷惑をおかけして、大変申し訳ありませんでした」と子供を連れてわびに来たのだ。 そして子供にも、「あんたが悪かったんだから、ちゃんとこのおじちゃんたちに謝りなさい」と言って謝らせた。 こちらも誠意を尽くしたのは言うまでもない。
毎年どこかで、エスカレーターでの事故が起きている。 そのたびに、店の安全面が問われる。 しかし、事故を起こすのは「エスカレーター」ではない。 それを使用している「人」である。 そこで遊んだり、ふざけたりしなければ、たいがいの事故は防げるのだ。 では、そういうことを誰が教えるのか? 先生でも、政治家でも、警察でも、消防士でも、医師でも、店のおっさんでもない。 それを教え、しつけるのは親である。 事故をネタに慰謝料を請求するのが親の務めではない。 事故が起こらないように導いてやるのが親の務めである。
今日の標語 「店内で 遊ぶな、走るな、ふざけるな!」 である。
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