昨日は宮崎のことを書こうと思っていたのだが、パイナップルのほうに話がずれてしまった。 日記も、あれを書こう、これを書こうとすると変になってしまうものである。
さて、宮崎の話である。 ぼくの住んでいるところから宮崎までは、高速道路を使っても4,5時間は優にかかる。 熊本までは楽に行けるのだが、そこを越え人吉に近づくと、道は一車線になる。 そこから、九州道最大の難所と言われるトンネル地獄が始まる。 連続した二十数個のトンネルをくぐらなければならないのだ。 トンネル内は対面通行で、対向車線とはパイロンで仕切っているだけである。 そのトンネルの長さだが、2キロ3キロはざらで、中には5,6キロのところも何ヶ所かある。 暗いトンネル、しかも道は狭く、遠くを見ると道はさらに狭まっているように見える。 こういう状態が延々と続くのだから、地獄と言わずなんと言おうか。
さてトンネル地獄を抜け、しばらく行くと「えびの」に出る。 そこから宮崎道の始まりである。 人吉付近と違い、道は二車線となり、視界は開けている。 南国の旅はそこから始まる。 宮崎道が終わると、そこからフェニックスの木が延々と続く。 同じ九州でも、北九州とは気候が大いに違っている。 気温はともかく、一番大きな違いは紫外線の量である。 宮崎は沖縄ほどではないが、北九州と比べるとはるかに多く感じる。 まさに南国宮崎の面目躍如である。
何年か前に、こういう道のりで宮崎の都井岬まで足を伸ばしたことがある。 その前にも何度か車で宮崎を訪れたことがあるのだが、青島どまりだったため、すべて日帰りだった。 しかし、その時は宮崎最南端に行くというので、一泊することにした。 仲間と綿密に計画を立ててのドライブだった。 ほぼ計画通りにことは運んだ。 が、肝心なところで手痛いミスを犯してしまった。 それは旅館である。 近くにグランドホテルがあったのだが、低料金でしかも露天風呂もあるということを本で読み、あえてそちらの旅館を選んだ。 旅館に着いて、まず拍子抜けした。 本で見た館内の画と、かなりかけ離れた風景がそこにはあった。 雑然と置かれた調度品の数々。 「掃除をしているのか?」という状況だった。 しばらくすると旅館の人が出てきた。 ウエイトレス風の制服を着ている女性だった。 しかしこれも予定外で、どう見てもその女性は60歳を超えている。 彼女は部屋に案内された時、露天風呂の事を聞いてみた。 なんと「今はやっていません」とのことだった。 「でも、館内にお風呂がありますので、そちらを利用して下さい」 食事の前にお風呂に行ったのだが、そのお風呂を見て仰天してしまった。 とにかく狭い。 しかも、肝心の風呂は、一般家庭でよく見かける空色のポリ製なのだ。 湯船も狭かった。 一人しか入ることが出来ないので、しかたなくぼくたちは二人一組で風呂に入ることにした。
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