こうやってゴキブリ恐怖症は克服できたのだが、家の中にゴキブリがいるのはあまり気持ちいいものではない。 昨日も日記を書いている時に、ぼくの足元をササーッと通り過ぎて行った。 「この部屋には食べ物もないのにどうして?」と思ったが、パソコンの中にでも住み着かれたらことなので、パソコン周りにゴキブリホイホイを仕掛けた。 今朝見てみると、かかっていた。 体長5センチほどの立派な体格をしている。 ゴソゴソとうるさいので、ふたを開け、日にさらしておいた。 5分ほどで絶命したようだ。
ゴキブリを殺す方法もいろいろある。 とにかく叩くと汚いので、よりきれいな殺し方を試してみた。 東京にいる頃によくやったのが、中性洗剤で殺す方法。 空気が汚れる殺虫剤よりずっときれいだ。 やり方は、中性洗剤をゴキブリにサッとふりかけるだけである。 ゴキブリは何歩か歩いた後、痙攣を起こしてそのまま動かなくなる。 ゴキブリを捨て、後は床を拭き上げれば終わりである。 洗剤なので床もきれいになる。 もうひとつの方法は、熱湯をかけること。 一度飛び跳ねて絶命する。 熱湯だから、当然消毒されるわけだ。 これも、後で濡れたところを拭いておけばいい。 しかし、これらの方法には欠点がある。 中性洗剤が常に手元にある。 熱湯がいつも準備できている。 こういう条件を満たさない限り、これらの方法は取れない。 しかたなく、いつものように新聞紙やスリッパを利用してしまう。
最近テレビでその存在を知り、物は試しにというノリで買った殺虫剤がある。 「泡でちっ息、固めてポイ!」というキャッチコピーの、『瞬間ゴキパオ』(白元)である。 わざわざ「ゴキブリが大キライな人用」というサブタイトルがついている。 「はたして『ゴキブリが大スキナ人』はいるのだろうか?」という素朴な疑問を投げかけたくなるサブタイトルである。 「みんな買え!」という意味だとは思うが。 この殺虫剤については、買ったばかりということもあり、まだ一度も使用したことがない。 タイミングの問題があるから、そう何度も使えるものではないと思う。 この夏、一度は使ってみたいと思っているのだが。
最近見かけなくなったもののひとつに、蠅とり紙というものがある。 よく魚屋とかに天井から吊るしてある、両面がベタベタしたガムテープのようなものである。 ぼくの家は、高校の頃までポットントイレだったため、よくトイレからくそ蝿が飛んできた。 トイレの中に蛆殺しなどを散布して、元から絶とうとしたのだが、なかなか追いつかない。 しかたなくこの蝿とり紙を仕掛けていた。 しかし、食卓の上で揺れている蝿とり紙ほど、汚く感じたものはない。 頭の上を、蠅の着いた蠅とり紙が行ったり来たりしているのだ。 もし、食事中に蠅とり紙が落ちてきたとしたら・・・。 考えただけでも、恐ろしいことである。 それにしても、よくあの状態で食事が出来たものだ。 それだけ時代や人間が、野性的だったとも言える。
今仮にあの頃の夏の生活を強いられるとなると、ちょっと考えものである。 異臭とメタンガスの発生源、ポットントイレ。 食卓の上には、見るからに汚い蠅とり紙。 ひっきりなしに攻めてくる蚊の群れ。 空中をしつこく飛び回る、大型のくそ蠅。 照明器具めがけて飛ぶゴキブリ。 ・・・ あな恐ろしや。
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