頑張る40代!plus

2002年08月01日(木) 夏の風物詩 その1

今年は蚊が少ない。
家でも、会社でも、あまり刺された覚えがない。
平年なら、汗ばんだ体に蚊が何匹もまとわりつくのがうっとうしいのだが、今年はそれがない。
7月の頭に何度か刺されたが、それを最後に今年は刺されていない。
毎年この時期になると、蚊取り線香のにおいを嗅ぐのを楽しみにしているのだが、どうやら今年はこの季節の風物詩を味わうことが出来そうにない。

さて、その蚊に刺された時だが、以前はよくムヒやウナコーワといった類の塗り薬を塗っていた。
こういうのを塗ると、一時的にはスッとして痒みが治まるのだが、ある時間がたつと、また痒くなってくる。
もう一度ムヒ等を塗るのだが、今度はあまり効き目がない。
効き目がないとなると、変にこの痒みに執着してしまうことになる。
刺された場所によっては、あまりの痒さにのた打ち回ることもある。
ある時、忍者関係の本を読んでいると、「鼻の脂が炎症に効く」と書いてあった。
半信半疑でこれを試してみたのだが、痒みがスッと引いてしまった。
その後痒みがぶり返すことはなかった。
ほどなく腫れのほうも引いてしまった。
それ以来、ぼくは蚊に刺されると、この「鼻の脂の術」を使うことにしている。
しかし、今年は蚊が少ないから、この術も使わなくてすみそうだ。

少なくなった蚊とは対照的に、ゴキブリの数が増えている。
ここ数日、少なくとも5匹は見ている。
もちろん成虫である。
突然「ムッ」とした表情で彼らは現れ、こちらが叩く道具を探しているうちにさっさと逃げてしまう。
どうしてこうタイミングが悪いんだと、いつも悔しい思いをしている。

ゴキブリに関しては、小さい頃に親から「触ったら病気になる」などと吹き込まれたため、後々までゴキブリに凄い恐怖心を抱いていた。
ゴキブリを見ると、「死ぬんじゃないか」とまで思いつめていた時期もあった。

それを克服したのは、小学校高学年になってからだった。
当時ぼくは、ひよこを一羽飼っていた。
飼い始めた当初は鳥の餌を与えていたのだが、そのうち勝手に虫などを捕まえて食べるようになった。
ある日ゴキブリを見つけた。
たまたま手元に蠅たたきがあったので、ぼくは恐る恐るゴキブリを叩いた。
見事命中のはずが、かすっただけに終わった。
しかし、ゴキブリはこの一撃でかなり弱っている。
その時ぼくの後ろにいたひよこが、そのゴキブリめがけて突進してきた。
そして嬉しそうに、そのゴキブリをムシャムシャと食べだした。
「おい、死ぬぞ」と言ったが、お構いなしだった。
その後、ひよこに変わったところはなかった。
ますます元気になっているように思えた。
その日からひよこは、ぼくが蠅たたきを持つと、喜んで着いてくるようになった。
蠅や便所蜂など、ぼくが蠅たたきで叩いたものはすべて食べる。
その中でも、一番の好物はゴキブリのようだった。
ゴキブリを一匹たいらげると、ぼくの顔を覗き込み、「もっとくれ」というような顔をする。
こうなると、ぼくもゴキブリが怖いなどと言っておれなくなった。
家のゴキブリは絶滅したんじゃないか、と思えるくらい叩きまくった。
そのうちゴキブリに対する恐怖心は消えていった。
その後、ひよこはすくすくと成長した。
団地で飼うことは不可能なので、親戚が引き取っていった。
最後は立派な鶏肉になったということだ。
ぼくに「今日鶏鍋するけ、食べに来い」と言ってきたが、さすがにぼくは遠慮した。
そこには情もあったが、何よりもそのひよこの嗜好を知っていたからだ。


 < 過去  INDEX  未来 >


しろげしんた [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加