| 2002年03月23日(土) |
マンガ遍歴 「少年サンデー編」 |
ぼくが初めて読んだマンガは、『鉄腕アトム』だった。 それが5歳の時だから、ぼくがマンガを読み始めてからもうすぐ40年になる。 思えば40年間、いろいろなマンガを読んできたものである。 印象に残っているマンガもあったし、どうでもいいマンガもあった。
ぼくが初めて定期購読した雑誌は「少年サンデー」である。 当時出ていた少年マンガの週刊誌は、「少年サンデー」「少年マガジン」「少年キング」の3誌だった。 少年ジャンプや少年チャンピオンの創刊はもう少し後のことだ。 小学2年の頃、『オバケのQ太郎』が読みたくてサンデーを買った。 それから、ぼくはサンデー派になった。 毎週近くの本屋のおじさんが届けてくれていた。 当時連載していたマンガは、『オバケのQ太郎』のほか、『おそ松くん』『伊賀の影丸』『ミラクルA』『サブマリン707』などだった。 そういえば、その頃のサンデーには連載小説も載っていた。 詳しい内容は覚えてないが、SF小説だったというのは覚えている。 原作者の姓が小松だったから、もしかしたら小松左京だったのかもしれない。 当時『スーパージェッター』というテレビマンガがあったが、その脚本家の中に筒井康隆や半村良などの名前があるくらいだから、この頃小松左京がサンデーに連載していても何の不思議もない。
さて、オバQ目当てで読み出したサンデーだったが、気がついてみたら『おそ松くん』のほうが好きになっていた。 ぼくのいたずら好きはこの頃から始まった。 もちろん『おそ松くん』の影響である。 「〜じゃん」という関東のほうの方言があるが、それを知ったのは『おそ松くん』を読んでからである。 その当時はマンガの中での言い回しと思っており、まさか方言だとは思わなかった。 横須賀のおばちゃんが、この「〜じゃん」をよく使っていた。 最初に聴いた時、ぼくは「この人も『おそ松くん』を読んでいたんだろうか?」と思った。 他の人も使っていたので、たまげてしまった。 それが方言と知ったのは、東京に出てからのことだった。
『おそ松くん』のギャグは、小学生のぼくにとって衝撃だった。 「こんな世界があるのか」と思ったものだった。 ぼくのお笑い好きも、この『おそ松くん』を読んだことに始まる。 『おそ松くん』は、当時の漫才や落語のネタの宝庫だった。 その影響で、ぼくはお笑い番組を見るようになったのである。
『おそ松くん』を読んで覚えたものに、浪曲がある。 まあ、覚えたと言っても、「たびゆけばー」というさわりだけであるが。 『おそ松くん』にはよく銭湯の場面が出てきたが、いつも湯船につかったおっさんが「たびゆけばー」とやっていた。 その影響からか、ぼくも風呂に入るたびにいつも「たびゆけばー」とやっていた。 そのせいで母親から叱られたことがある。 「そんなくだらんもん歌ってないで早く出なさい。宿題は終わったんね?」
さて、ぼくがサンデーを取っていたのは」、5年生くらいまでだった。 その頃には、もう『おそ松くん』も毎週連載しなくなったし、他に好きだった『パーマン』や『バンパイヤ』も終わってしまっていた。 おまけに、本屋も潰れてしまったので、「このへんでやめよう」と思ったわけである。 その後は、サンデー連載のマンガにあまり興味を持てなくなった。 『まことちゃん』や『うる星やつら』が話題になっても、読もうとは思わなかった。 ぼくにとっては、いつまでも『少年サンデー』=『おそ松くん』なのである。
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