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2002年03月20日(水) 三温四暑

「もう初夏やん」と思えるほど、今日は暑かった。
職場は熱気でムンムンしている。
ぼくは、ユニホームであるジャンバーの袖をまくりあげ、下にはTシャツ1枚という夏の装いをしていたが、全身汗ばみ、頭は痒くなる。
タバコを吸いに外に出ると、日差しが強く、店内とはまた違った暑さがあった。
いつも腰をかけているパレットは焼け付き、まるでオンドルの上に座っているようだった。
なんでも、今日の福岡の最高気温は24度、これは5月中旬の陽気だそうである。
気温がもう1度上がっていれば夏日である。
テレビの天気予報では、水着を着た子供が浜辺で遊んでいる姿を映し出していた。
桜も例年より早く咲いている。
桜が咲けば、当然花見をする。
が、ちょっと待てよ、まだお彼岸じゃないか。
本来なら花見ではなく、墓参りに行く時期なのである。
花見や海もいいけれど、明日は春分の日、ちゃんと墓参りに行ってください。
かく言うぼくは、昨日墓参りに行ってきた。
前にも言ったが、墓とはいってもお寺の納骨堂なので掃除はいつも行き届いている。
ぼくたちがやることといえば、「お寺に行き、お供え物をし、拝み、本尊にお賽銭を上げ、帰る」という、簡単なものである。
しかしこんな簡単な墓参りでも、行くと行かないとでは大きな違いがある。
行くと、なぜか安心するものだ。
別に墓参りに行くのに、目を輝かせて、
「今日は墓参りだから気合を入れて行こう」
などとは思っていない。
なんとなくお墓に行って、なんとなく帰るだけである。
拝むといっても、念仏やお経を唱えるわけではない。
ましてや、「ああしてくれ、こうしてくれ」と願い事を言うわけでもない。
ただ軽く手を合わせるのみである。
逆に行かないと、何か落ち着かない。
この落ち着かない気持ちが、次のお参りまで続く。
何か事件が起きるたびに、
「そういえば、墓参りに行かなかったからなあ・・・」
といつも後悔してしまう。
別に「墓参りに来なかった」と言って先祖に恨まれているわけではないだろう。
「墓参りに行ってない」という後ろめたさが、そう思わせているだけのことである。
要は気持ちの問題、ということか。

そういえば、ぼくは墓参りには行くけれど、家の仏壇にはめったに手を合わさない。
よく金縛りにあうと言っているが、もしかしたらそれは、先祖が「手を合わせろ」と言いに来ているのかもしれない。
そういえば以前母が、
「仏壇に水をやり忘れると、決まって金縛りにあう」
と言っていた。
霊ののどが渇くとは思えない。
まあ、それも気持ちの問題なんだろう。

再び天気の話に戻るが、明日は雨が降るらしい。
この雨を境に冷え込むらしい。
冷え込むと言っても、平年の気温に戻るということだろうが。
今年の気象は異常である。
しかし、この異常も何年か続けば、平年扱いにされるだろう。
そうなるとこの時期は、「三温四暑」と呼ばれるようになるのだろうか。


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