昨日の件だが、2,3腑に落ちないことがある。 Tさんに通報してきたお客のことである。 たしかに段ボール箱は駐車場に置いてあったのだが、それは車を停めるのに支障をきたすような場所に置いていたわけではない。 車止めの向こう側にあったのだから。 それに、この段ボール箱は、どこにでもある箱だった。 他のお客も、そこに箱があるのは知っていたはずだ。 しかし、他の人は誰も言ってこなかった。 おそらく、「お店なんだから、別にこういう箱があってもおかしくない」と気にしなかったのだろう。 もしぼくが見つけていても、気にせずに放っておいただろう。 それなのになぜ、そのお客は気になるんだろう?
他のお客さんが気にしなかったのではなく、他のお客さんが来るまでその箱はなかった、ということも考えられる。 ということは、その箱を置いたのは・・・。 裏付けはある。 実は今日、そのお客がまた現れたらしい。 そして、「あのう、昨日の箱はどうなりましたか?」と聞いてきたという。 怪しい。 犯人は犯行現場に戻るという。 昨日駐車場でぼくがドキドキしている時、そのお客は横でボーっと突っ立っていた。 あの時「警察呼ぼう」と言えばよかった。 そして、そのお客の反応を見るべきであった。 残念なことをした。
ところでぼくは今日、朝から店長と会うのを楽しみにしていた。 店長はぼくを見つけると、案の定「昨日何があったんね」と聞いてきた。 ぼくは昨日の日記の順番通りに、わざとゆっくり説明した。 し「ほんと、大変でしたよ。 12時ごろやったかなあ。 お客さんがTさんにですねえ・・・・。 ・・・・ですよ。 それで、駐車場に行ったんです」 店「で、中身は何やんったん?」 し「それでですねえ、・・・・」 店「で、中身は?」 し「やっぱり、こういう時は誰でも怖いでしょう? そこで、箱をですねえ・・・・たんです」 店「もう、中身は何なんね?」 せっかちな店長はイライラしだした。 店長はわかりやすい人で、イライラすると顔が赤くなるのですぐにわかる。 なおもぼくは、「それでですねえ・・・・」を繰り返した。 そして、最後に中身を教えた。 店長は大きな声で「イタチー?!」と言った。 今度は憤慨して顔が赤くなった。
店長と話すのは実に楽しい。 店長が休みの時に、またこういう事件が起こらんかなあ。
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