ここ数日よく寝てないので、今ものすごく眠たい。 頭の上に膜が張ったような感じで、それがまぶたまで伸びている。 さあ、どうしようか? このまま寝てから、明日の朝日記を書こうか? それとも、書くだけ書いてしまって、それから寝ることにしようか? 遠のく意識の中で、そんなことを考えている。 とりあえず、書けるところまで書いて、いよいよだめなら寝てしまおう。 と、いつ寝てもいいように布団を敷いた。
実は、ぼくはベッドがだめな人間なのである。 あれで寝ていると、腰が痛くなってしまう。 それも尋常な痛みではない。 喩えが悪いが、下痢をしている時に下腹を走る激痛、あれに似ている。 ズキーン!!とくる。 おそらく、フカフカのマットの中にお尻だけが陥没してしまい、そのため体の自由が奪われ、寝返りがうてなくなってしまう。 ブリッジしているのと同じような体勢である。 その体勢を何時間もとり続けた結果、腰に負担がかかり、激痛が走るのだろう。 このことを悟ったので、ベッドを使うのをやめた。 ただでさえ爆弾を抱えている腰なので、これ以上悪くすることは出来ない。
前にも話したが、ぼくが腰を痛めたのは、高校の時だ。 ムキになって柔道をやったせいだ。 1年の頃、ぼくは背が高い(178cm)ほうなのに、なぜか背の低い人の技「背負い投げ」の練習ばかりやらされていた。 背負い投げは、相手の懐に低く入り込まなくてはならないので、背の高いぼく がその技をかける場合、どうしても深く沈みこまなくてはならない。 相手に飛び込む時、ちょうど「うさぎ跳び」のような運動になるのだ。 それから相手を背中に背負い、投げるのである。 前かがみでバーベルを持ち、屈伸しているようなものである。 うさぎ跳び→バーベル→屈伸、この一連の作業を繰り返すわけだから、腰が悪くならないほうがおかしい。 それまで体験したことのない「腰痛」というものに襲われてしまった。 「すべては背負い投げのせいだ」、そのことに気づいたぼくは、2年からこの技の練習をやめた。 が、一年間蓄積された腰の痛みが消えるはずはなかった。 その後も痛みは続き、いつしか腰をかばうようになった。 そうなると、当然手抜きをするようになる。 その後やっていた技は、「足払い」である。 文字通り、足を払うだけの作業である。 おかげでぼくは、柔道がメキメキと弱くなった。
柔道部を引退してからは、腰の痛みも徐々に引いていった。 その後、運動らしい運動もせずに社会に出たのだが、それがいけなかった。 ラジオ体操やストレッチくらいの、軽い運動でもいいからやるべきだったのだ。 何度も言っているが、長い浪人の末、ぼくは電気店に就職した。 その電気店で待っていたもの、そう、倉庫整理である。 カラーテレビ・電子レンジ・エアコンの室外機など、重たいものばかりだ。 これを何段も重ねたりするのだ。 多少力が強いので、こういうこともムキになってやってしまう。 当然腰に負担がかかってくる。 忘れていたものが蘇った。 それも以前にも増した痛みで。 柔道部を引退した後、何もやってなかったので、体が硬化してしまっていたのだ。 それを知らずに、ムキになってやったのがいけなかった。 しかもいつも準備運動もせずに、いきなり力仕事を始めるので、当然の結果腰痛に至る。
この腰痛は、一生治らないものだと諦めている。 整体院や整骨院には何度も足を運んだ。 腰痛運動もやってみた。 寝相にも充分に注意を払っている。 しかし、いっこうに良くならない。 まあ、そういう努力のおかげで、それ以上の悪化はしてはいないが。 参考までに、今まで腰痛に一番良かったのは、寝る前の体操である。 つまり、寝るための準備運動である。 ラジオ体操くらいの軽い運動でいい。 これをやると、寝違えたりすることも少なくなる。 他にもいろいろと効能があるようだ。
あと何年生きるかは知らないが、せめて死ぬ時は病院以外で死にたいものである。 ベッドで寝たきりなんて、考えただけでも恐ろしい。 もし病院で死んだとしたら、死因は腰痛であろう。
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