今年もあと1日。 しかし、ぼくたちは日常生活を強いられている。 世間は年末であわただしそうだが、ぼくたちは平常通りの仕事をやっている。 正月休みにしろ、3日から営業であるから、ただの2連休を取るにすぎない。 正月が明けたら、たっぷり休暇を取れるのかといえば、そうでもない。 別に他の日に定休日を設けているわけでもないので、いつものようにローテーションによる休みしか取れない。 これはお盆でも同じことだ。 つまり年中、同じ生活をやっているということである。
ぼくはこんな生活を22年間やってきたわけである。 もちろんこの間、転職した時を除いて、長期休暇など取ったことはない。 前の会社では数字の関係上休むことが出来ず、今の会社では人数の関係上休むことが出来ない。 病気にかかっても、他の人に迷惑がかかるから休むわけにはいかない。 今は週2日確実に休みを取っているので、「まあいいか」と思うことができるのだが、前の会社の時は月に3,4回しか休みが取れないことがざらだったので、かなりフラストレーションがたまっていた。 しかも、毎日朝8時から夜10時過ぎまで拘束され、週一度は7時出勤だった。 そんなに早く行って何をするかといえば、会議である。 そんなに遅くまで残って何をするかといえば、会議である。 何の会議かといえば、数字のツメである。 数字とは、売上数字のことである。 この数字さえよければ何のことはないのだが、数字が常時いい部門などはない。仮にあったとしたら、それは不正をやっている部門である。 会議といっても、数字の悪い部門の「報告」、それに対する「罵倒」の繰り返しばかりやっていた。 そんな疲れの溜まることを毎日やっていて、仕事の効率が上がるはずがない。
一度切れたことがあった。 夜の会議が終わったあとのこと、時間はすでに午後10時半を回っていた。 「やれやれ、やっと帰れるか」と思っていると、販促係の人間が店内放送で「今から販促会議をやります。各売場の販促委員の方はお集まり下さい」と言い出した。 上の者にいい顔したいがためのパフォーマンスであった。 その時はぼくも販促委員だったので、当然参加しなければならなかった。 「冗談じゃない」とぼくは食いついたが、「すぐ終わらせますから」と言うので、しぶしぶ参加した。 もちろん疲れていることもあったが、その当時ぼくはJRで通勤していたので、電車の時刻と、乗り継ぎのバスのことが気になっていた。 JRのほうは0時過ぎまであるが、バスのほうは最終が23時14分だったので22時50分のJRに乗らないと間に合わない。 これに間に合わないと、タクシーで帰らなければならないのだ。 「しかたない。今日はタクシーで帰るか」と思いながらの参加であった。 ところがこの会議、いつまでたっても終わりそうにない。 時間は刻々と過ぎていく。 いつの間にか、JRの最終の時間も迫っていた。 そこでぼくは、「この会議、いつになったら終わるんですか?」と尋ねた。 するとその販促係は、「あと30分ほどで終わりますから」と言った。 「話が違うやん。すぐ終わると言うけ参加したのに。JRの時間がないけ、もう帰る!」と怒鳴り、ぼくは会議室を出て、さっさと帰った。
前の会社がこんな具合だったので、たとえ人数が少なくても、今の会社で勤まるわけだ。 ただ、最初に言ったように、ここも「盆も正月もない」という意味では同じである。 販売業22年生、まだまだ日常生活は続く。
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