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今日の私
by かずき
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■やっと『ミス・サイゴン』。
『ミス・サイゴン』17:15〜、H−31
市村・松・井上・岡・ANZA・戸井・高島・内田

うわ〜すごい。
私、今日、ちゃんとキムの物語だと思って観終えた。
「何故こんな子が死ななければならなかったの・・・」
なんて、ボロボロ泣きながら思ってた。何だか不思議。

ドリームランドで踊ってるキムを観ながら、
やっぱり松さんは動きがきれいすぎて変だと思っていた。
腰の回し方なんかも堂に入ってるし、やたら目立つし。
でも、サクソフォンの曲が流れ始めて、一度は通り過ぎた
クリスが振り返った瞬間、同じタイミングでキムが
鏡みたいに振り返り、2人が見詰め合ったわずかの間。
それが本当に「映画のような」出会いで、良かった。

松さんって、もともと、恋を演じるのはうまいと思う。
でも、ちょっとイっちゃってる感じが強すぎて、
8月からずっと、「怖い系キム」の筆頭だった。
でも今日は、最初から最後まで、とにかく
一生懸命クリスを好きで、可愛い小さなキムだった。
映画のように出会った王子様(ちょい語弊あるけど)しか
すがるものを持たず、純粋に全身で愛していたキム。

3年後、ジョンと再会したときの曲なんて、いつもは
「うわぁ、ここまで思い込みの強い女、キッツ〜」って
感じで、すっかり逃げ腰で観ている私なんだけれど、
今日は「ここまで無邪気に信じ込まれると言えない・・・」。
やってることは同じなのに、何が違うのかというと、
要は、「物は言い様」なんだろうとしか言えないけれど。
今日のキムは確かに、俗世間の汚れが全く感じられない、
澄んだ水の上に浮かぶ真っ白な蓮の花という印象。

確実に他キムとの違いを感じたのは♪キムとエレン。
自分はクリスの妻であると言ったばかりの女性から
「子供の親はクリス?」と聞かれた時の反応に驚いた。
ちょっと照れて、でも誇らしげに嬉しそうに答えたキム。
普段はあまり言えないけれど、彼の子供を産んだことが、
本当に嬉しくて仕方ないんだろうなと思えて、泣けてきた。
他のキムたちが「何?あなた、違うとでも言いたいの?!」
と、ケンカごしなのに比べて、あまりにいじらしくて切なくて。

エレンの存在にショックを受けてはいるけれど、彼女本人に
悪意を持ったわけじゃないのなら、最後の行動も分かる。
クリスやエレンに悪印象を持っていたら、死ねないもの。
エレンから自分に対する悪意(事実か否かはともかく)を
感じ取っておきながら、彼らに任せて死ねるのが疑問だった。
でも、真っ白に疑いなく信じているというのなら分かる。
「あなたの命決めるのは、誰でもないわ、この私」も、
「他の人たちなんかには決めさせないわ」ではなく、
「他の人じゃなくて、あなたの命を決めたのは私という
人間なの。お願い、覚えていてね」という感じなのかな。

何しろ、初めて、好意を持って観られたキムでした。
「なんでこんな子が死ななくちゃいけないの!」と思っても、
誰を責めたらいいのか分からなくて、やたら腹が立った。
これがきっと、『ミス・サイゴン』を観た人の感覚なのね。
やっとそこまでたどり着いたけれど、全然幸せじゃない。
改めて この作品が嫌いになってしまったかもしれないけれど、
でも、一応の理解にたどり着けたのは本当に嬉しいです。

しかし、このキム相手だと、トゥイの悪度は最大値かも(^^;
最近はすっかり、「頑なすぎるキムを何度も何度も何度も
説得しようとする非常〜に辛抱強いトゥイ」という構図が、
頭に染み付いていたのに、久々に今日は強権的イメージ。
いや勿論、一生懸命説得してくれる姿は見えるんだけど、
なんか、「NO」と言いたくなる雰囲気を感じるのは・・・、
私が単にキムに同化して感じているからだけか?

後は、細かいことをパラパラと。
松キム、全体的にはとにかく良かったんだけれど、
独白っぽい歌は苦手なのか、説得力が少なかったと思う。
♪今も信じてるわ は特に、最初もリプライズも一本調子。
「ああクリス、今でも信じてる、二人の愛は離れはしな〜い」

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11月17日(水)
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