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たむけん日記
by たむけん
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■【政府系金融機関の改革】
 郵政民営化法案が可決されてから、小泉首相は政府系金融機関の改革に乗り出した。郵便局が、国民からお金を貯金という形で集め、そのお金を運用するために財投機関債を購入することで、政府系金融機関にお金が流れる。財政投融資という巨大なシステムの中で、郵便局を入口とすると、政府系金融機関は出口と言われる。小泉首相が関心が高いのは、郵政民営化と連動するものであること、9つある機関をいくつに減らすか、という分かりやすいものだからだろう。首相就任間もない頃にも、政府系金融機関の改革を目指したが、自民党と省庁の抵抗で挫折した経緯がある。
 私は、13年前の93年、日本開発銀行(今の政策投資銀行)の担当者だった。その2年前にバブルが崩壊したにも関わらず、各省庁に後押しされて、ビックプロジェクト(後に建設中止や計画縮小など失敗に終ったものも多い)に次々と出資や融資を続けており、融資先も大企業ばかりで大いに疑問を持った。民間銀行で十分できるのでは、と感じた。しかしながら、自民党の族議員はもちろんのこと、天下り先を失いたくない各省庁が必死で抵抗していた。
 だからこそ、今に至るまで、私の政府系金融機関改革への思いは強い。これもまた「遅きに失した」改革の一つではあるが、現在も、民間金融機関の貸出金残高が540兆円に対して、政府系金融機関の貸出金残高は145兆円にものぼる。民間金融の一層の発展のために、1日も早くその規模を縮小しなければならない。
 民主党の政策金融改革作業チームの一員として民主党案の作成に携わった。10月頃から小泉首相は「1つにまとめるべき」という方向性を示し、自民党内でもその意向に逆らう力はなく11月末にはまとまる見込み。そのような中で、民主党の作業チームでは11月上旬に「9つの機関を1つに統廃合」という方向で一致していた。私は、民主党の対案をPRするには、政府与党の方向性が固まる前に発表しなければ、と主張したのだが、結局は、民主党「次の内閣」で正式に承認されたのは、11月30日。その前には政府与党の「9つを1つに」という方向性が報道されており、民主党案は案の定、新聞でも小さくした取り上げられなかった。
 民主党の対案をメディアに出来る限り大きく取り上げてもらい、皆さんに知ってもらうためには、とにかく政府与党より先に打ち出すことが非常に重要であることを再認識した。 
 民主党の「政策金融改革の基本方針」はこちら


11月30日(水)
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