ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■3055, 功利主義者の読書術

 「功利主義者の読書術 」佐藤 優 (著)  ー読書日記

 佐藤優の読書術本なら、買わないわけにはいかない。
ビジネス書、世界文学の名作、哲学書、宗教書まで「役に立てる」という観点から本を紹介しているが、
この人の本は決して期待を裏切らないからよい。 私にとって「如何いう本を読むべきか」という先生役が、
立花隆から佐藤優に重心が移動したといってよい本でもある。 この本の中に私も過って読んだ本も何冊かある 
ー高橋和己著『邪宗門』 副島隆彦著『恐慌前夜』 ソルジェニーツィン著『イワン・デニーソヴィッチの一日』
池田晶子著『死と生きる』ーなど、佐藤の解説を読むと己の浅さを思い知らされる。
それが、ここでいう自分の立ち位置を知るということ。 
 ここで著者は、
「実用書やビジネス書は、初めから役に立つようにつくってある。そこで功利主義的な考えからいえば
解説をしても、読者にとって追加的利益は殆どない。そういう観点から『新約聖書』や『資本論』
『カラマーゾフの兄弟』のような古典が、21世紀の現下日本と世界を読み解くのに、いかに役立つかをを、
あえて取り上げている。更に、実用主義は、何か軽佻浮薄に見えるかもしれないが、そうではない。
目に見えるものだけが現実と考える傾向が強いが。しかし、その背後に、目に見えない真理がある。
その真理をつかむことが出来る人が、目が見える世界で、知識を生かして成功できる。
まず、読者の問題意識によって、良書のカテゴリーが異なってくる。また人間の偏見の力は、理性よりもはるかに強い。
例えば、虚心坦懐にマルクスの『資本論』を追っていけば、資本主義の内在的論理を解明する優れた本であることが解る。」
 等々、「はじめに」の文章から、どんどん読者を引きこんでいく。
紹介している本を、あえて読まなくとも、彼の解説だけでも、何か少しは分かったような気になる。
それにしても、次から次へと佐藤優は書を出し続けているが、どれもこれも、その内容は下手のプロより
造詣が深いのに驚かされる。 頭の構造がどのようになっているのか? 私の底の浅さは見たとおりであるが、
佐藤優、立花隆、松岡正剛などの知識は私たちとは別次元の人物とさえ思えてくる。 
その段差から見えてくるのは、自分の知っている範囲でしか、理解し得ないということだ。
だから、その段差を本を読むこと、そして実践することで埋めていくしかないのである。
 
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2690, 若者が危ない!
2008年08月16日(土)

希望格差社会 −1
           ー希望格差社会ー山田昌弘著・筑摩書房
著者は「若者が危ない」という。
そして「若者が社会的弱者になりつつある」「やがてこの弱者たちが社会に危険をもたらすであろう」と。
統計をみると、
・親と同居している未婚成人(その過半がいわゆる「パラサイト・シングル」)は1200万人。
・離婚数は年間29万組(結婚75万に対する数値だから結婚したカップルの40%が離婚)
・結婚75万のうち、「できちゃった婚」(婚姻届提出後10ヶ月以内に出産)は15万。
・フリーター(未婚若年アルバイト雇用者)は200万人。
 失業中、未婚派遣社員を入れると未婚若年不安定雇用者数は400万。
・「引きこもり」については正確な数値がないが、推定50万人。
・義務教育期の不登校は13万。
・児童虐待は児童相談所が把握しているだけで年間2万件。
・「将来、自分の生活がよくなる」と考えている若者(25−34歳)は15%。
・中学生の70%が「将来、日本は今以上豊かにならない」と考えている。
どうして、こうなったか? 著者は、その理由を「リスク社会」の出現という。
 ー「リスク社会」とは何か、
「リスクをとることを強制される社会」、「選択を強制される社会」のことである。
「自分のことに対しては、自分が決定する。これが自己決定の原則である。
そして、自分で選択したことの結果に対しては、自分で責任をとる、これが『自己責任』の原則である。

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08月16日(日)
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