ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7455,閑話小題 〜霊感について −2
 苦労することが多くなる。転職をする度に、準社員としての立地ふるまいが、
染み込んでいくため。そして、不適応と不自由を混合し、外部に自由を求める。
【指令4・5・6】は、「ヨガ」の教えに重なる。
<周囲の人との距離を図り、姿勢を正し弛緩と緊張を繰返し、静かに呼吸をする>
 で、目的は「瞑想」を深めること。

・・・・・・
5234,「エリック・ホッファー自伝」 〜E 
2015年07月14日(火)
             「エリック・ホッファー自伝」中本義彦訳
    * ある若い女性との出会いと、別れ
  ホッファーに深い矛盾が見て取れる出来事である。人生で誰もが、
 経験する分かれ道がある。もし、二人の女性の申し出を受け入れていたら、
放浪者として世に受け入れられた哲学者としての彼は居なかった。別れで一番、
傷つくのが本人同士。こういう傷口から深い思索と、新しい出会いが出来てくる。 
時空を超えて悲しみが伝わってくるようだ。 〜その辺りから
≪・ある初夏の朝、レストランから出ようとしていると、赤い列車がシャタック
アベニュー駅に到着するのが見えてきた。こんな早く旅行しているのはどんな
人だろう。列車からは若い女が二人降りたが、手には小さなスーツケースを
持っている。明らかに初めての来訪で、列車を降りた所であたりを見回している。
様子を見ているうちに、急に話しかけてみたくなり、足早に彼女たちに近づいて
「何かお手伝いしましょうか」と声をかけた。彼女たちは驚いたようだった。
二人の女は昼と夜のようにまったく対照的である。一人は背が高くてとても
美しく、もう一人はずんぐりしていて、きれいとは言えない。
「手荷物係さん?」とずんぐりした方がたずねた。「いいえ、給仕係さんですよ」
と私は答えた。みな笑った。私は動揺を隠そうとしゃべり続けた。彼女たちは学生
だろうか。大学はちょうど休みの時期で、次の学期が始まるのは数ヵ月先だった。
サマースクールに出席しようとしているのだろうか。それなら、いろいろと
落ち着くまで時間が要るだろう。「とにかく、そのときまず必要だったのは
朝食である。私はスーツケースを持ち、レストランに案内した。私はテーブル
をとり、カウンターに行き、オレンジジュースと果物とハムエッグを注文した。
食事中も彼女たちは笑いっぱなしで、私を好奇な目で見ている。きれいでない方
の目は私に対する疑いが見てとれた。私は「心配しないでください。別に私は
頭がおかしいわけでもないし、知らない人に声をかけて朝食をご馳走する
趣味はありません。姿を見かけた時に、話したいと思っただけです。
 ・・(略) 彼女たちにはある計画があったのである。ある晩、フレッドが
人生の目的について私を諭した。人間は目的をもっていなければならないし、
自分の非凡な能力を無駄にするのは罪だ、と。彼女はヘレンから最近の物理学
の動向について聞かされていたのだ。そして、私の理論化する才能を生かせば、
奇跡的なことが成し遂げられるはずだし、物理学部の誰よりもすごいことが
できる。並外れた数学の力があれば、アインシュタインのようにもなれるかも
しれない、と彼女は信じ込んでいた。ばかげた話だった。二人の女性が、
私を驚異の人物に仕立てようと決意している。まったく常軌を逸していた。
私は心からヘレンを愛していたが、彼女たちの期待に応えるために、四十歳
まで残されたわずかな人生を費やすのは、あまりにも惨めだろう。おそらく
物理学部の人たちは、すぐに私が偽者だと気づき始めるだろう。どうして自分
に並外れた才能があるなどと信じられよう。もしこのまま彼女たちと暮らせば、
一時の平和も見出せないだろうと思った。私は一刻も早く行動を起こして、
放浪生活に戻らなければならなくなった。こうして収穫期が近づいたある日、
私は何も告げずに、バークレーを離れた。・・・ ≫
▼ 何か、ホッファーの傷の疼きが、そのまま井伏鱒二の詩が代弁している。
 <この杯を受けてくれ どうぞなみなみ注がしておくれ  

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07月14日(水)
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