ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7062,閑話小題 〜今年も半期が過ぎた!
▼ ツアーの面白さ、厳しさの一つが、1〜2週間、移動空間と旅先空間を密着
すること。 嫌でも、様々な人生を垣間見ることになる。また、重厚な人生観を
知ることになる。行先の多くが秘異郷もあるが… 10年近く前までは、まだまだ、
高度成長時代の恩恵を受けた人たちが多かった。その反面、仕事に追われてフッと
気づくと晩年に差し掛かり、人生を取り戻そうとすがる思いの人が半数だろう。
それが圧倒的大自然の只中で、自然と出てくる激情が、呟きで聞こえてくる。
『ズ〜ッと老人ホームで働いてきたの。で、ハッと気づいたら、自分が年寄りに。
現実に流されて、周辺の人だけを見てね。何にも考えないで、決断もしなくて、
これまで生きてきたの。ところが先を切られたの… …旅行前に色いろの問題を
箪笥の中に押しこんでね。帰ったら、それを出して整理をしないと。
でもここに来て良かった。これで心おきなく死ねるわ。』
パタゴニアの、山中の道すがら、初老の女性が、何気なく話しかけてきた言葉。
話は続く。
『養老院って、人生の果てでしょ。人間の本性が丸出しになるの。特にね、
夜這いって、御婆さんの方が多いの。夜中に男の人の悲鳴が聞こえてくるの。
‘何するんだ、この野郎’ってね。 寂しかったのね。』
――――
6680,閑話小題 〜悲しみって、時間と共に深くなるのよ!
2019年06月30日(日)
* 悲しみは時間と共に薄れるって嘘よ
再び「ガイロク(街録)という番組の話。 下町で一人歩く御婆さんの話題。
《 若くして夫を失い、その後、手塩にかけた一人息子を交通事故を亡くしたと
いう、『毎月、祥月命日に、墓地にお参りに行くのが、務め。これは私が元気
でないのなら…。 高尾山のお墓に行くため山を登るときに、自分の名前を呼びながら
励まして登るの。>と、述べていた。
ところが、それを聞いていたゲスト榊原郁恵の母親の言葉が何とも!
『郁恵ちゃん、悲しみって時間と共に薄くなるって、嘘よ。逆よ!』
いや、驚いた。悲しみ、苦しみは、私の経験則からして大よそ、二年半で
治まってきた。一般的にも、慰めで『二年も経てば、乗越えられますよ!』と…
時間薬の効果である。しかし、それは、その程度の悲しみに過ぎないと…直感した。
直に思いついたのが、二人の息子を頃に亡くした両親の悲しみ。
特に母親の心の傷。乗越えたとしても、年々、悲しみは深まっていた?
そうこう考えると‘絶叫したくなる’ほど 両親に対する思いが一変することに。
長男、次男の不幸な死を招いた罪の意識と、反省。 私が、20歳になった頃に、
二人の分も、「自由に、明るく羽ばたいてみろ!』と、応援していてくれたことは
薄々知っていた。昭和40年代は、右上がり経済の真只中。坂の上の雲は青く輝いて
いた。私の過ごして学生寮の名が『青雲寮』。あの時代の抑揚感は当時の歌謡曲に、
そのまま現われていた。しかし、太平洋戦争の深い犠牲の上で、それがあった。
『悲しみは、時間と共に深まっていく』の言葉に、『エッ!』と、この年齢で
驚くのは、私自身が晩期の両親の年代に入ったため。そして私の悲しみが浅いか!
この街頭録音略して「街録」。ネットによると、
<街ゆく人々の“リアル”な声から、人生を学ぶ! 人生のピンチやハプニング
とどう向き合い、乗り越えてきたのか? その経験から得たものとは…。
山あり谷ありの内容> とある。 これに似ているのが、『地球タクシー』
『家についていっていいですか』『空港ピアノ』などがある。何気ない通りすがり
の人生を、僅かな因縁の機会に垣間見る味わい。
この『ガイロク』でも、『家についていっていいですか』でも、
『あなたの人生を自ら何点付けますか?』と、急に、声をかけられたとしたら…
さて如何こたえられるか? それも、全国津々浦々に晒された中で?
顔ぼかしなら、何とか!理路整然と… 『日々是口実』をしてきたこともあり…
何をしに、何をして、生きてきた?
親鸞ですか?
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07月15日(水)
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