ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[397369hit]
■1997, 「私」のための現代思想
英国の物理学者、ホーキングは、三つの『時間の矢』があるといっています。
・熱力学的な時間の矢ーエントロピーが増大する時間の方向ですね
・それから、昨日のことは覚えているが明日のことは覚えていないという心理的な時間の矢。
・それと、ビッグバンから始まる宇宙的時間の矢です。
時間の矢はあるとおもう。
だから、今という非連続の永遠だけを一日一日楽しく生きればよいというのは、
三日ならできても、三ヶ月は難しい。
死ぬ経験をして生き返ってきて、死を毎日時間して、一日一日が永遠ですということは
いえない。
ーー
ー日野
僕らが今、言葉にして言っていることを、言葉にしてくれ、意識化してくれ、それに
形を与えてくれと、45億年前から原始地球の岩石たちが願ってきたんじゃないかと。
15万年位前のネアンデルタールの段階で、死という観念を持てた、
つまり言葉を持てたんじゃないか。
ー三木
言葉になった。つまり共通の記号ができて、死を死として認識できるようになった。
ー日野
死の儀礼を始めたことと、言葉ができたことはパラレルだろうというのが、
僕の経験的直感です。われわれが言葉を持っているのは、実は全生物、
もしかしたら、無機物まで含めた全存在が言ってほしいということを、
われわれはやっと少し言えるようになっただけかもしれない。
だから僕らが言葉を使って物を考え、言葉を使って表現できることに裏にはm
全物質の、少なくとも全生物の期待と願いがこもっていると思う。
おろそかに言葉を使ってはいけないという気がします。
ー三木
日野さんが感銘したとおっしゃっていた火星の写真。
僕は初めて火星の地表を見たのですが、あのごろごろした石や地平線や
ピンクの空を見たとき、これはもしかしたら、誰も見ないまま終わってしまう
はずだったのかな、それとも誰かがこれを見て欲しいと、願った結果だったのか、
なんて考えました。
ー日野
そのために人間はこの宇宙に発生して進化してきたのだと思います。
ー三木
ええ。見てもらわなくてはもったいないじゃないか、という感じを、なかなか消せない。
いや、そんな者がいるわけがないじゃないかと、そこで一歩思いとどまりならが、
前に、つんのめながら、そういうふうに思っているところがある。
ー日野
われわれの生きた20世紀の後半で、それまでと違うところというと、
電子顕微鏡と電波望遠鏡ができて、物を見る視覚がマクロとミクロに
拡大したことです。肉眼で見えないものがリアリティの視覚化、
実感できるようになったのは、僕らの生涯でとても大きかった。
ー三木
そうですね。この20世紀の後半、人工衛星が地球の上を周りはじめた
1957年と、月に降り立った1969年に生きてきて立ち会えたのは幸福だと思う。
ー日野
普通の僕らが、世界というものをいっそう細かく豊かで美しいイメージを
持ちえたことに、感謝しています。
ーー
死を直面する時に、だいたいこんな気持ちになるのだろう。
そして、ひとり悶絶して諦念するしかないのだう。
そのときの準備のために、人類は宗教をつくりあげたのだ。
最後の最後は、『神様助けてください、お願いします』になるしかない。
しかし、この二人は神ではなく科学的に死を見つめている。
だから心に迫ってくる。
・・・・・・・・
・・・・・・・・
2004年09月21日(火)
1267, 書いてなかった旅行記ー2
カナダ旅行紀ー2
バンフスプリングス・ホテルが一つの芸術作品のようである。
重厚な石造りの建物に、豪華なロビーとレストラン。
もちろんホテルとして、世界的に有名なホテルである。
その庭先にはレイク・ルイーズがある。
いや、レイク・ルイーズのほとりにホテルを建てたのだ。
朝、昼、夜(白夜)とその湖の色が大きく変わって見える。
ロビーの窓が、あたかも絵の額縁のように作ってある。
早朝、その窓から見た湖の美しさに息を呑んでしまった。
[5]続きを読む
09月21日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る