ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7795,閑話小題 〜ロシア派も、YouTubeに…
権力者の家系にあって、恵れた環境のなか最高の教育を得て最も高い官職につく。
順風満帆の人生であったが、政変に遭い、死刑を待つ囚人に身を落としてしまう。
本書は獄中の中で、彼が空想の中で描いた「女神」との会話を通して、
人間の自由意志について、対話を重ねていく。
不幸のどん底に落とされて、それでも神の意志はあるのかと彼は尋ねる。女神は
‘神は全宇宙を苦もなく動かすが、運命は個々の人間の動きに影響を及ぼすに
過ぎない’と答える。 神の意志と調和することが尊いのであって、自分の力で
生きていると信じている者は、最後まで運命にしばられるという。運命に作用
される限り、不安と混乱に踊らされる。当書も身体の自由は奪われても自由に
到達する境地について語られており、「幸福」の本質を描いた名著である。
◉ 当時のローマは東ゴートの支配下で、ボエティウスはテオドリック大王の信任
を得て執政官などを勤めました。しかし真偽はわからないが、そのうち反逆罪で
訴えられ、刑死します。本書は牢獄の中で失意のうちに書かれたもの。
最初は牢獄の中で、芸術の女神(ミューズ)と一緒に嘆く自身の描写から始まる。
そこでいきなり哲学の女神が現れて、そのような嘆きはおまえにふさわしくない、
などと言い、ミューズを追い出し、ボエティスを激励します。
これ以降、哲学の女神とボエティウスの対話形式で、ギリシャ哲学が語られる。
・まず、富や官位などは真の善とは何ら関係なく、牢獄に入っても、おまえは
何も失っていない、というストア派的な主張が述べられる。
・それから、悪が栄えて善が虐げられる、というボエティウスの不満に対して、
悪は無知・無力であり、すべては一にして善なる神の秩序の中にあるという、
エレア派&プラトン的な教えで女神は慰めます。
・最後に、神の秩序による必然と、個人の自由意志の共存が説かれて終わります。
◉ ボエティウスはキリスト教徒のはずですが、全編をとおして、キリスト教の
教えはまったく出てきません。神という言葉も、キリスト教の神ではなく、
汎神論的な神を思わせます。
形式は論述と詩が混じっており、詩にはギリシャ・ローマ神話の要素がふんだん
に散りばめられています。キリスト教が古代世界を制覇した6世紀に、しかも死に
直面した状態で、ここまで古代的な形式と主張が守られていることに驚かされます。
まさしく「最後のローマ人」と言えると思います。 ≫
―
▼ 中心的テーマは… 『自由意志』。身体は自由を奪われても心は自由という
囚人が到達した境地こそ、成熟の本質ということ。これこそ、幸福の本質である。
何があっても、心の自由こそが、人間のあるべき姿である。何でまた、自分を
縛っている! 自らしか、その首輪と紐を外せない。それ付けて何処をうろつく?
〜次回は、「哲学に女神」の言葉…
・・・・・・
6321閑話小題 〜今年も半期の終了 −3
2018年07月04日(水)
★ YouTubeで印象に残った映像
・今年のYouTubeの映像で驚いたのが、ドバイの「ドローンのレース」。
ゴーグルを被って運転席に座ったゲーマーが参加する。画像は隼のように
倉庫のような空間に、780メートルのレース場の空中を10数周も突進する。
私はゴーグルを持ってないが、ゴーグルを被った映像なら迫力が違うのだろう。
36チームが参戦し、最後に勝ち残った4チームが決勝戦を争う。総額100万ドルの
賞金という。 そこで、15歳の少年が優勝をしたが… 独り部屋で異空間に引き
こまれ、不安さえ感じていた。ドローンとゴーグルの組合せの妙を、そのレース
で見ることになった。
・いま一つが、アルプスの頂上の現場で、ゴーグルを被り、ドローンを飛ばし、
頂上の自分たちを撮影した映像が、何とも不思議な感覚にさせる。 現実と、
バーチャルの融合。天使の目線で、自分の姿をみる。何とも奇妙な感覚。
・この7月中旬に、ドバイでドローンタクシーが、実際に営業開始をするという。
ニュースの映像を見る限り、まだまだ初期段階のようだが、面白い!
――
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07月04日(月)
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