ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■4815,尊厳死は必要か ー1
と訴える女性例を報告したことをもって嚆矢とされている.「幻の同居人」は「天井裏や,床下に住んでいる」,「留守にすると
部屋に入ってきて,いろいろなものに触っていく」などと訴えられる.さらに自分 の行動がその同居人に監視されていると
確信していることがある.Rowan の報告例では,知的機能の低下や感情障害が明らかではなく,思考,感情,精神運動の障害や
退行などの脳器質性障害を示す徴候も認め られないことから遅発性パラフレニーにみられる被害妄想とされた.
2.「幻の同居人」はどのような精神症状か? = 「だれかが自分の家に侵入して,物を盗んでいく,部屋を汚す,
嫌がらせをする」などの住居(家) に関する被害妄想は遅発性パラフレニー,遅発性統合失調症,接触欠損性妄想症などにも
認められる.高齢者では少なからず見出される.我が国においても,同様の症例は,報告されている. 精神症状はいかなるものか,
幻覚か,実在性意識か,あるいは想像上の友達などとの鑑別が必要と思われるが,必ずしも明確でない。
3.「幻の侵入者」か「幻の血縁者」か? = 確かに「幻の同居人」は,本邦の高齢者にも稀ならず見出される.
Terada S らは前述の「幻の同居人」の特徴を分析して,「幻 の侵入者」と記載した.我が国では,このほかに父,母,祖父,
祖母,子供などの血縁者が現れることがある.外部から侵入するのではなく被害的でも敵対的でもないことが多い.
むしろ親密で友 好的協調的な懐かしい血縁者であり,特に小さな子供の場合も少なくない.これらは「幻の血縁者」と呼ぶことが
できるかも知れない.この様なタイ プの同居人が比較的よく見出されることが我が国の特徴のように思われる.
また妄想性誤認症候群,鏡像現象やTV 現象を伴うことも稀ではない.
4.「幻の同居人」の発現機構 = このような精神症状は加齢によるさまざまな変化や社会文化的背景をもとに出現して
いると考えられている.精神機能の解体過程,退行などによ ってゲマインシャフト的世界,しかも日本的な農村共同体への回帰と
みることができよう.「幻の血縁者」に子供が現れることは,遠野物語のザシキワラシ 伝説とも相通ずることを示唆している.
▼ 以上だが、この「屋根裏に誰かいるんですよ」で、< 身体の一部を失っても、脳機能は、それがあたかも存在する
ように感じ取る働きをする。それに似た働きに近いのでは>は納得できる。作家の佐藤愛子本人が、色いろな場所で、
これに近い経験をしているが、作家なら、冷静に精神の衰えと看破するはずだが、どうだろう。知人の夫人の場合は、
高齢者の孤立、種種の喪失体験などによる精神不安定が見て取れる。老化による精神機能の解体過程に出てくる妄想ということ。
私にもサードマンが頭の中に同居しているが、これは自分で意識的に作りあげた対自。ちょっと違うか。
・・・・・・
4074, 屋根裏に誰かいるんですよ
2012年05月21日(月)
「幻の同居人」 ―都市伝説の精神病理 春日 武彦 (著
ーアマゾン 紹介文ー
まず、その奇妙なタイトルが目を引く。しかし本書は、そのタイトルから受けるコミカルな印象とは異なり、
精神科医である著者が、現代社会におけるさまざまな精神病理を、きわめて冷静に考察したものである。
ある日、ひとりの老女が、「自分の部屋に勝手に人が入ってきて困る」と訴える。その侵入者は、彼女の部屋にある
日用品などを盗んでいったり、ちょっとだけ位置をずらしていったりするという。しかし、姿は見えない。
まるで、「座敷わらし」などの妖怪のしわざとしか言いようがない不可解な話を、老女は真剣に語る。
表題となっているこの症例は、「幻の同居人」と呼ばれる。このような症例は、多数報告例があるらしい。
患者たちは、脳に器質的な異常が認められるわけではなく、精神的にも問題ない場合が多い。
「妄想の突飛さと当人の穏やかな常識人ぶりとのあいだに乖離が生じているときには、精神医学はたちどころに歯切れが悪くなってしまう」
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05月21日(水)
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