ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■4785,閑話小題 ー倒産よもやま話 〜②
ホームレスだ。彼ら貨幣空間の敗残者は富も人間関係もすべて失ってしまい、自分たちより過酷な生活をしているインドの
スラム街のひとたちよりはるかに幸福度が低い。もっともこれは、それほど奇異な結果ではないだろう。
お金が幸福の必要条件ではあっても、十分条件でないことは誰だって知っている。
 ぼくたちがお金にこだわるのは、それが「安心」や「安全」という大切な価値と結びついているからだ。
ヒトはずっと不安のなかで生きてきたから、安心を得ることは幸福の大事な条件のひとつだ。そして市場経済においては、
この安心はお金で買うしかない。日本国の財政が未曾有の赤字に陥り、少子高齢化で年金制度が破綻必至になったことで、
この国を重苦しい不安が覆っている。老後を国家からの年金に頼っていたひとが、安心を奪われてしまったのだ。
 でも単純な経済問題だから、お金により解決できる。財政破綻で年金の大幅減が実行されても、宝くじで一億円当たったら、
どうだってよいと思うだろう。(当たらないと思うが) 幸福のためにお金を求めるのは、きわめて合理的な行動だ。
ところが皮肉なことに、宝くじの当せん者を追跡調査をすると、実はあまり幸福のなっていない。
買物や豪遊で賞金を使い果たすころには、自分には何も残ってないことに気づくのだ。 ・・・ ≫
 ▼ ー我われがお金に拘るのは、「安心」や「安全」という価値に結びついているためーというのは、分かる。
  ならば、日本は世界一の「安全」で、「安心」して暮らせる国で、万一のことがあっても、生活保護がある。
  しかし自殺は先進国の中でトップクラスにあるし、国民は幸せそうでない。何故なら国の先行きが見えないためである。
  先行きなど、かつても見えなかった。中途半端な幸せを長年続けてきた結果、激変の最中、動揺しているのである。
  東北大震災から数ヶ月後、アフリカの難民をよびよせ、被災民の状況を見てもらったが、殆どコメントをしないで帰った。 
  彼らにしたら何をか言わんである。豊かさの中の極貧生活が不幸の最たる状態であるのは、大都市のホームレスを見れば
  分かる。今や夫婦間資産格差が出来た私など、不幸の最たるもの?でも不幸感はない。「不安感」が最小に縮んだからだ。
  先行きの不安感は、今が不安定だと生じ、蓄積していく。着地をした現在、今さら「不安」など感じようもない。
・・・・・・
4044, 一時停止 ー4
2012年04月21日(土)
            「一時停止」 谷川俊太郎ー自選散文ー1955〜2010
  * 他人との出会い
≪ 肉体的な成長だけで子どもがおとなになれるわけではない。肉体的な成長に精神的成長が伴わなければ、人間はおとなになれない。
その精神的成長とはどういうものか、知識が増えること、感情が豊かになること、経験を積むこと、考える力が増すことーいろいろな面から
考えることが可能だろうが、そのどれもが結局は<個>の自分の確立ということにむすびついていることに気づく。
 群棲動物である人間は、ひとりで生きてゆくことができない。そこから私たちは複雑な社会的構造を生み出し、〈個〉は常に自分と
同等な〈個〉、すなわち〈他〉との関係において生きてゆく。〈個〉の確立とは自我の拡張と同時にその制限をも意味している。
言葉をかえると、他人と出会うことによって、子どもはおとなへと成長してゆくと言うこともできるのではないだろうか。
もしそんなふうに言えるとしたら、私にとって初めての他人との出会いは、いったいいつのことだつたのだろうと考えることがある。
もちろん人間にとって最初の他人とは母親であると言うこともできるかもしれない。しかし、ほとんどの子どもにおいては、
母親は自分自身の延長のような存在であり、母親を他人として意識しはじめるのは、むしろ彼がおとなになってからだろうと思う。
似たようなことは他の身内・家族などについても程度の差はあるが、おおむねあてはまるだろう。 ≫
 ▼ 学校時代は、進学する度に変わる同級生が、他者を考える上に分かりやすい。その時の面々が、その時の自らの分である。

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04月21日(月)
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