ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■2573, 「好き」という言葉の重み
丘の上に南欧の修道院を模した校舎が建ち並ぶ、神戸女学院大(兵庫県西宮市)
で話を聞いた。「ここより美しいキャンパスは見たことがありません」という。
「ずっと考えていたけれど、背後にある巨大な地殻変動の正体がわからなかった。
『オレ様化する子どもたち』(諏訪哲二著)を読んで、腑(ふ)に落ちたんです。
『それってグローバリゼーションだったのね』と」
■過剰な「消費主体」
「オレ様」を元に話を広げていった。商品経済は世界の隅々にまで行き渡った。
日本人は過剰に適応し、子どものころから「消費主体」として振る舞うように
なったという。
消費主体とは、商品を買うように「今の自分に損か得か」によって、
物事との関係を判断するあり方。学校や仕事にもそれを持ち込み、
すぐ役立たないことを学んだり、簡単に稼げない仕事をやるのは、
高くて不必要な買い物と同じと考える。学ばず働かずとも、とりあえず何とかなる。
だから学力は低下し、ニートが生まれる。
「消費主体化が進んだのは、日本人みんながすぐ『右へならえ』になるから。
国策が成功しすぎたんです。グローバリゼーションへの過剰適応は、
子どもを規格化するような教育政策が大成功した結果でしょう」
問題解決には、かつての地域社会や大家族、学生寮といった損得ではない
人間関係を持てる場が必要だ。自身は将来、<寺子屋のような、道場のような、
コミュニティの拠点を作りたい>と思っている。
「子どもに武道や哲学を教え、書生を住まわせ、宴会やマージャンをしたり…」
■忍耐強く聞こう
普通の人にもできそうなことはないだろうか。
「商品のように流通している出来合いの言葉しか知らない子どもたちに、
『オリジナルな言葉を聞かせてよ』と言うこと。たとえ言語の体をなさなくとも、
大人は忍耐強く聞くことです。楽しいですよ、決まり文句しか言わなかった子が、
初めて生の言葉を発する瞬間に立ち会えるのは」
これは、キャンパスで日々実践していることでもある。
「18歳までに固まった学生の頭の中を、ぐちゃぐちゃにして社会へ送り出す、
それが私の仕事なんじゃないかなあ」
校舎の中庭に出た。抜けるような青空にクリーム色の外壁が映える。
「昔は全寮制だったそうです。今の寮も定員を増やしたいのですが」
「ぐちゃぐちゃにする仕事」への思いを新たにしているようだった。
【鈴木英生】
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■人物略歴 ◇うちだ・たつる 神戸女学院大教授(フランス現代思想)。
「『おじさん』的思考」「先生はえらい」ほか。 毎日新聞 2007年4月13日
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なるほど、と納得する。
学生時代は寮生活、ゼミ、クラブ、世界一周旅行と当時としては恵まれた経験を多くした。
その中で一度、「固まった頭がぐちゃぐちゃ」になった経験があるから、
その重要性が深く理解できる。馬鹿の壁を一つずつ叩き壊す経験をしたが、
振り返ってみてどこまで壊してきたのか?疑問である。
何も壊していなかったのか、いや壊した!の、自問自答である。
その時に生の言葉を発していたかどうか分らないが、
傷口から出る血のような言葉であったことは間違いない。
ー著者の次の指摘も、ずばり急所をついているー
「ずっと考えていたけれど、背後にある巨大な地殻変動の正体がわからなかった。
『オレ様化する子どもたち』(諏訪哲二著)を読んで、腑(ふ)に落ちたんです。
『それってグローバリゼーションだったのね』と」・・・
・・
グローバルぜーションの上に共産圏が一挙に資本主義社会に組み入れられ、
更に「ゆとり教育」の失敗が、無気力の若者を造成していまった。
また、アメリカの実質占領政策が、この国民を無気力にしてしまった。
団塊世代ジュニア以下の年代の人たちは、明らかに自ら下流を目指しているのでは?
と思うことが度々である。 彼らは、お消費様なのだ。
逆の立場は数パーセントの人たちが確実に占拠してしまっているのである。
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04月20日(日)
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