ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■1652, 北イタリア旅行記−3
 その中にあって「閑」のある生活が、不可欠である。 
 内なる自分を優先して生きる為に、生活を単純化して、
 自分の ハートを大事にして、 自分の納得した生き方を勧めをしている。

著者は
「風の良寛」
「老年の愉しみ」
「自分を生かす”気”の思想」
 を読んで、質素な老いの生き方に同調、
「老いの生き方」の準備の必要性を説いている。

そこには多くの引用があった。
良寛の詩集であったり、
吉田兼好の「徒然草」、
加島祥造訳の「老子」の詩句、
セネカの「人生の短さについて」、
尾崎一雄の「まぼろしの記・虫も樹も」、
そしてローマ時代の「エピクテートス」の話があった。

40代を迎えた「甥っ子」に、老いに向ってどう生きていくべきか諭すカタチで
進んでいく。
物の時代、消費する時代、金本位の時代、経済成長率のあるのが当たり前の時代、
自己中心主義の時代の、(いい大学、いい企業、出世、名誉を重んずる時代の)
どっぷりと浸かった、「甥っ子」世代に対しての警鐘が淡々とつづく。

55歳を過ぎ、定年に近い団塊世代に対する書であり、
彼らに定年後の生活に入る心構えを作っておくべきと勧めている。

老後の準備をしておくか、おかないかで、
ーがっくりした悲しい末路になるか、
ー老年を自由の時として楽しめるかの、
生き方に分かれるのだ。

・「マインド」主体から「ハート」主体への切り替えの必要性。
・生活を単純化し、物を捨て、物に執着するな。
・老子の言葉を引用し、自分の外に目を向けるのではなく、内に目を向けよ。
 人生には、する事よりしないことも大切だと説く。
・テレビ、ラジオ、パソコン、ケータイなどへの依存度を減らすこと
・仕事を自分の時間まで持ち込むな
・自分の体を使ってする趣味を覚えよ
・カードかローンとかの誘惑を疑え

等々を一つずつ具体的に話を進めている。

 西暦紀元初めのローマのエピクテートスの言葉を引用し、
「自分のほんとうにやりたい事をしぼり、しぼりこんだら他のものは捨て、
 やりたい事を一生かけてしよう」と勧めている。
 いろいろやってみたい気持ち強すぎて、結局何もしない愚を指摘している。

 1章では、40代から、閑ある生活の準備を始めよ
  自分の力のうちにないものは受け入れ、自分の自由になることだけに集中する。
  これは40代から心すべきことである。
  社会に出て働く限り、多忙を極めざるを得ないが、これでは真に自分の人生を
  生きることはできない。
  人は、よく生きるためには「閑」が必要だ。その意味で、定年後は幸福であり、
  40代から意識を切り替え始めなければならない。

 2章では、その為にまず自分の意識を高めよ
 3章では、自分のハートに従え
  ・老後とは?自分と全面的に向き合う時。社会を相手に、世間一般の価値観で考える
 「マインド」の暮らしから、自分の内側から発せられる声に耳を傾ける
 「ハート」の暮らしに変えていく。軸足を社会から自分へ移してゆく。これは
  昔から「心身永閑(しんじんえいかん)」として、東西を問わず理想としてき
  た生き方だ。「生きることの最大の障害は期待を持つということであるが、そ
  れは明日に依存して今日を失うことである。」

 4章で生活・習慣をシンプルに
 ・生活の平穏を望むなら、50歳くらいから住居の中の所有物の単純化を心掛けること。
  自分のやりたいことも同じ。本当にしたいことを選び、その他は捨てる。
  そうすれば成し遂げられる。
 ・働くことばかりに時間を使っていたら、人生を楽しむときがなくなってしまう。
  19世紀前半に「スペイン人は、イギリス人のように新しい服を買うため
  に15時間も働くくらいなら、穴のあいた服を着てるほうがましだ。」という。
 「超多忙な人に限って、生きること、すなわち良く生きることが、最も稀である。」
  とセネカも指摘した。
  貧しくとも閑暇の中で心の声を聴く生方をする人のほうが尊ばれてきたのだ。

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10月11日(火)
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