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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■カブトエビを田んぼに復活させよう!
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オレが子どもの頃に住んでいた長屋のそばには田んぼが広がっていた。そこには多くの生き物がいた。カエル、アメンボ、ミズスマシ、ホウネンエビ、そしてカブトエビがいたのである。すばしこいホウネンエビのことをオレは子どもの頃はカブトエビの幼生だとばかり思っていた。ホウネンエビはカラダの一部が透明で、瞬間的にものすごく早く動くので、捕まえようとしてもなかなか捕まえられなかったことを覚えている。それに比べるとカブトエビは容易に捕獲できた。もっとも捕まえてもその寿命は短くて数日も経たないうちにみんな死んでしまうのだが。田んぼでカブトエビが元気よく活動してるのもせいぜい1、2ヶ月で、いつのまにかすっかりと姿を消しているのだった。それが寿命だったのか農薬のせいだったのかはわからない。
読売新聞のWEBサイトでこんな記事を見つけた。
人気上昇中!カブトエビ、有機農法の新たな担い手に
カブトエビという水中の生き物が人気上昇中だ。
姿は、天然記念物のカブトガニに似ているが、子どもじゃない。水田を泳ぎ回り、有機農法の新たな担い手として注目されている。山形県酒田市で先月5日、第1回カブトエビシンポジウムが開かれた。2005年に県内の有識者や農家が発足させた「カブトエビ研究会」(五十嵐敬司代表)が主催し、県内外から約150人が集まった。
「卵が孵化(ふか)し、繁殖すれば何も手間がいらない」「労力が少なく、多角経営に取り組むことができる」。農家や研究者がカブトエビを使った農法について熱く語った。
カブトエビは大きさ2〜3センチほどの甲殻類で、世界に4種類、日本にはアメリカカブトエビなど3種類が生息する。東北から九州の水田で普通に見られたが、農薬が盛んに使われるようになり、姿を消した。
「田の草取り虫」と呼ばれ、水田の雑草を食べるほか、泥を巻き上げて泳ぎ回るので水が濁って光が遮られ、雑草の生育を抑える。カブトエビ農法はこの力に頼り、除草剤をやめてコメを作ろうというものだ。
雑草を食べたり、水を濁らしたりする生物を使う有機農法は、アイガモやコイが有名だが、トンビなどの外敵から守るために水田に柵を設置するなど費用がかかる。カブトエビの場合は不要で、悪臭や騒音もない。
問題は、生態が完全には解明されていないことだ。繁殖方法が確立しておらず、水田で飼育しても孵化率は約10%と低い。東京農大の長島孝行准教授(昆虫利用学)は注意点として、農薬を使わない、卵で過ごす冬は田を乾燥させる、卵が孵化したら田から水を抜かないなどを挙げる。
栃木県益子町の高橋丈夫さん(57)は約2ヘクタールの水田に取り入れている。「繁殖するには水温27〜28度が理想。気温が高いと水田の水を掛け流し、寒いと水を止めるなど水温を一定に保つ工夫をしている」と話す。福岡県前原市の藤瀬新策さん(58)は「夏は稲作、冬はキャベツ栽培をしている。畑にして土を乾燥させ、土壌に有機物を含ませることが重要」と言う。
食の安全が叫ばれる昨今。農薬に弱いカブトエビがすむ水田のコメは、「安全」の保証付きといえる。高橋さんは収穫したコメを無農薬米「紅カブトエビ米」として販売し、人気を呼んでいる。日本生まれの新農法に、「究極の除草法」と関係者の期待は大きい。
(山形支局 米山裕之)(2009年1月13日19時27分 読売新聞)
農薬を撒けば確実にカブトエビは死ぬ。そういう意味ではこれほど確実な生物指標も他にないだろう。ただ、カブトエビが棲息してることで本当に収量がアップするのかどうか、きちっと解明されていないだけに今後の研究の結果を待ちたい。
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01月15日(木)
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