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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■泡瀬干潟をどうすれば守れるのか?
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 我々の納めた税金はどうして無駄な土木工事に費やされるのか。必要のないダムを造り、海を埋め立て、誰も使わないハコモノを作るという巨大な無駄遣い、いわゆるドブに捨てるゼニのために我々は税金を納めてるのじゃない。しかし、その無駄遣いはこれまでずっと行われてきたし、今の政治体制が続き官僚支配が続く限りこれからも永遠に繰り返される。そうした破壊に手を貸した連中を「環境破壊罪」(最高刑は死刑)で訴追できないものかとオレはいつも思うのである。

 南西諸島最大の干潟である「泡瀬干潟」も今破壊の危機に瀕している。ついに本格的工事が始まったというニュースがあったので、読売新聞のWEBサイトから引用しよう。

沖縄・泡瀬干潟埋め立て開始…「暴挙」と抗議集会も
 南西諸島最大の干潟とされる沖縄県沖縄市の泡瀬(あわせ)干潟(約290ヘクタール)の埋め立て事業は15日、第1区域(約96ヘクタール)の本格的な工事が始まった。
 那覇地裁は昨年11月、泡瀬干潟公金支出差し止め訴訟で、県と沖縄市に将来の支出差し止めを命じ、県と市は控訴した。原告団メンバーは「埋め立ては地裁判決を無視した暴挙」と干潟近くの岸壁で抗議集会を開いた。
 埋め立ては国と県が担当し、事業費は約490億円。第1区域と未着工の第2区域(約91ヘクタール)があり、埋め立て地の大部分を県と市が購入し、ホテルや商業施設を誘致して地域活性化を図る計画。
 第1区域の工事は2002年に着工。希少生物の保護措置や反対住民の阻止行動で、工事は断続的に中断し、護岸整備しかできていなかった。12年度に工事完了予定で、当初計画は「第1、第2区域とも09年度完工」としていた。
 この日は午前9時前に工事が始まった。干潟の北東3キロの中城湾港新港内で採取した土砂を運搬船に載せ、埋め立て地に搬送。午後からは護岸で土砂をダンプカーに積み替え、海に投じる。今後も毎年4〜7月は、埋め立て地周辺で絶滅危惧(きぐ)種・トカゲハゼが産卵するため作業を中断する。
 県港湾課の平良和雄・港湾開発監は「裁判は継続中で、埋め立て工事の進展に問題はない」と語った。沖縄市の東門美津子市長は「具体的な土地利用計画を早い時期に策定し、経済的合理性を説明していくことが市長としての責務と考えている」とのコメントを出した。

 この「泡瀬干潟埋め立て」だが、その埋め立て地をどうするのか。何も具体的な用途は決まっていないのである。まず埋め立てありきなのである。つまり、必要に迫られてする工事ではなくて、その埋め立て工事ををして税金を浪費することだけが目的なのである。オレがいつもこの日記で告発してきた「イナカモンドリーム」の構図がここにもある。壮大な自然破壊を行って地元の土建業者がゼニを稼ぐのだ。たとえ何の役にも立たない埋め立て地でもいい。だってその工事は政府がやらせるのであり、民間企業と違って収益なんか考える必要は全然ないのである。

 この干潟破壊、いちおう埋め立ての経費はほとんど国が負担するのだが、その埋め立て地の半分くらいを沖縄県は購入する義務を負っているのである。結局地元もそのゼニを負担させられるのだ。沖縄のような貧乏な自治体は「そんなものいらん!」と突っぱねればいいと思うが、そういうわけにはいかないのだろうか。その押し売りされた土地は「マリンシティー泡瀬」として開発して、ホテルやショッピング街、情報教育の拠点、住宅地などになるという。そんなものがいったいどれだけの価値があるのか。そんなものを作りたかったら陸上にいくらでも候補地はあるだろう。土地が足りなかったら米軍基地を返してもらえばいいだろう。かけがえのない貴重な自然を破壊し、どこにでもある薄汚いショッピングモールを建て、やがて飽きられて閑古鳥が鳴くというお決まりのパターンであり、日本中の田舎で繰り返されてきた愚行なのである。そんなことが強行されようとしているのだ。


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01月16日(金)
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