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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■サンル川のサクラマスを守れ!
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 巨大なダムを建設するという公共事業は、果たしてそれ自体に意味があるのか。それだけの環境負荷を与えながら、ただ税金をばらまいてゼネコンに仕事を与え、利権だけが目的の行政側の自慰行為なんだったら、いっそ工事などしないでゼニだけその連中にくれてやれと思うのである。たとえば530億円のゼニを使う代わりに、工事の利権に群がる連中に1割の53億を山分けさせてやるから、どうか余計なダムを造らないでくれとオレは思うのだ。そうしたらドブに捨てる税金も一割で済むし、自然環境も守られるのである。これからは「1割山分け」という方針で税金の無駄遣いをなくしていくのがいいじゃないかとオレは勝手に思うのである。

 天塩川の支流にサンル川と呼ばれる川があって、その流域面積は天塩川の流域面積の3%ほどしかないのだが、自然環境がそのまま残されていて約3000匹のサクラマスの遡上・産卵が観測されている。そこに利権に群がるハイエナどもがダムを造ろうとしているのである。読売新聞のWEBサイトの記事を引用しよう。

サクラマスの産卵、ダム建設で危機…北海道・天塩川支流
 北海道北部を流れる天塩川の支流サンル川で、日本海から200キロ・メートル近く遡上(そじょう)してきたサクラマスが産卵の季節を迎えている。
 川底の砂利を尾でたたきつけて産卵床を掘るメスに、鮮やかな桜色の腹のオスが寄り添い、産卵を促す姿があちこちで繰り広げられた。
 砂防ダムなどがないサンル川は毎年、国内最大規模の約3000匹のサクラマスが遡上する。しかし、多目的ダムの建設が下川町で来年度にも始まる予定で、多くの産卵床もダム湖に沈む。このため国は、高低差約30メートルの階段式魚道や、ダム湖を迂回(うかい)する約9キロ・メートルの魚用バイパスなどの措置を検討。今月10日から試験用魚道での遡上観察を始めた。(2008年9月17日15時30分 読売新聞)

 サンルダムの建設工事は来年から始まるという。それで階段式魚道や魚用バイパスなどが建設されようとしてるわけだが、このダム建設によってそこにある産卵床が水没してしまうのである。この川で暮らしてきたサクラマスにとって、それがどれだけ生活環境を破壊されることであるか。

 この建設計画が発表されたのは1992年、それがようやく来年着工に向かうことになったのだが、530億円という建設費を投入するだけの意味があるのか。それだけのゼニがあればどれほど地域のために使えうるだろうか。オレには納得がいかないのである。多目的ダムということで「治水対策」「生活用水」「環境保全」「水力発電」の4つの目的で建設されるという。この中で「環境保全」に対しては「あほか!」と思うだけで即却下である。「生活用水」とあるが、人口がどんどん減少しているこの地区で今後生活用水が不足するなんてことはありえないから却下。「水力発電」だが、こんなところに小規模な発電施設を作ったところで、生み出せる電力は知れているからそれも却下だ。となると残るのは「治水対策」でしかないのだが、そもそもダム建設が本当に治水対策になるのか。日本中にこんなにダムがあるのに、なぜ大雨や台風による洪水はなくならないのか。もっとダムを増やせばいいと主張するアホもいるかも知れないが、ダムというものが本質的に治水対策に役立たないどころか、かえって水害の原因になっている場合もあることを忘れてはならない。


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09月19日(金)
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