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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■投資家を食い物にする人たち
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携帯電話の通話料金を安くする方法をいろいろと工夫してる人は多い。ソフトバンクが一気にシェアを拡大したのは、ソフトバンク同士の通話を無料にするというサービスを打ち出したからである。その分の利益は、他社携帯からソフトバンク携帯に掛ける人に法外な接続料金をぼったくることで埋め合わせてるわけで、日本の携帯電話料金が高い元凶はあのハゲ、いや孫正義である。
その電話料金を安くできる魔法のようなツールが開発されるならバカ売れするのは間違いない。そんな道具を技術的な裏付けも何もなしに「開発中」「発売する」などと称して株価を上昇させて大もうけしたクソ野郎がいる。その金融ブローカー、大場武生に実刑と追徴金を命じる判決が下ったのである。アサヒコムの記事を引用しよう。
株価つり上げ被告に有罪 東京地裁、最高の15億円追徴2008年9月17日23時17分
携帯電話の料金サービスで虚偽の事実を公表し、株価をつり上げたとして、証券取引法(現・金融商品取引法)違反(風説の流布)の罪に問われた金融ブローカー大場武生被告(49)に、東京地裁(秋吉淳一郎裁判長)は17日、懲役2年6カ月(求刑懲役4年)の実刑を言い渡した。
追徴金は、「村上ファンド」による証取法違反(インサイダー取引)事件の約11億4900万円を上回る、約15億6千万円とされた。検察側は株の売却額全体となる約49億円の追徴を求めたが、判決は売買での利益分だけを認めた。証券取引等監視委員会によると、刑事告発された証取法違反事件では最高額という。
判決によると、大場被告は休眠中の通信会社を買い取り、実現の見込みがないことを知りながら、携帯電話にアダプターを差し込むだけで通話料金を月額4500円にできるサービスを02年11月に公表した。その結果、1株30円前後だった親会社で東証2部上場の下水道工事会社・大盛工業(東京都)の株価が110円まで高騰。被告は同社株を売り、多額の利益を得た。(河原田慎一)
2002年11月、大盛工業の子会社である「ジャパンメディアネットワーク」は「携帯電話にアダプタを付ければ月4500円で電話が掛け放題になる」というIP携帯電話事業を展開することを発表した。株価30円以下のボロ株だった大盛工業は急騰して、2ヶ月後には110円の高値を付けた。一般の投資家たちがそのニュースに飛びついてせっせと買っていたときに、大場武生はそのボロ株を売り抜けていたのである。技術的な裏付けのない事業は崩壊した。後にとり残されたのは大盛工業株を高値つかみしてしまった多くの個人投資家たちだった。夢のような投資話を信じて買った多くの投資家は、この与太話に裏切られたのである。
オレはこの大場の罪状が「証券取引法違反」(風説の流布)であることに対して不満である。与えた被害に比べてあまりにも罰が軽すぎるからだ。なぜこの行為は詐欺罪ではないのか。価値の裏付けのないものを高値で買わせるのは、豊田商事の純金ファミリー証券と同じじゃないか。証券取引法違反ではなく、もっと重い罪だとオレは思うのだ。
株式市場には多くのイカサマが存在する。それはまぎれもない事実である。ジョイントコーポレーションがオリックスの支援を受けることが発表される数日前から、ジョイントの株価は謎の上昇を開始していた。事情を知る関係者たちが安値で仕込んでいた証拠である。誰が売買したかをきちっと調べればすぐにインサイダー取引が存在したことは判明するだろう。支援を決めた側のオリックスの幹部が、自分の取引とバレないように家族や知人にインサイダー取引をさせていたのかも知れないし、もしかしたらその利益の一部は仕手筋と組んだ暴力団の資金になっていたのかも知れない。そんなイカサマを東証がすぐに調査することもなく、誰もが明らかにおかしいと感じていることがなぜか放置されているのだ。それが日本のアンフェアな株式市場である。この大盛工業の事件だって、立件されるまでにかなりの年月を要してるのである。
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09月18日(木)
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