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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■ドイツ人は朝からジョッキでビール!
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 オレは新婚旅行でドイツに行ったのだが、シュタイナーハという田舎の駅で夜行列車から降りて早朝に入ったBARで、客のほとんどがジョッキでビールを飲んでいたのに驚いたことがある。オレと妻はコーヒーとパンを摂ったのだが、他の客たちは「こいつら、どうしてビールを飲まないんだ?」という感じでオレたち夫婦をジロジロ見ていた。みんながジョッキを傾けてる時に自分がそうしないのはなんだか場違いな行為だろうかとオレはそのときに思ったのである。しかし、朝からそんなふうに飲んだら歩いて街を回れなくなってしまうじゃないか。

 ただ、ドイツではビールは酒じゃなくて水みたいなものらしい。だから朝からでもみんな飲んでるのである。それはこの発言からもよくわかる。

ビール:1リットルなら運転可…独の州首相が選挙中に暴言
 ドイツ・バイエルン州のベックシュタイン州首相=ミュンヘンの同州首相府で2008年9月、小谷守彦撮影 【ベルリン小谷守彦】ビールが名物のドイツ南部バイエルン州のベックシュタイン州首相が、州議会選挙(28日実施)の演説中、ビールによる飲酒運転を容認する発言をしたことで、メディアの批判にさらされている。
 地元大衆紙によるとベックシュタイン氏は15日、「1リットル飲んでも問題はない。2リットル飲んでも1、2時間たてばいい」と語った。ドイツでは呼気1リットルあたり0.25ミリグラム以上のアルコールが検出されれば飲酒運転で、ビールを1リットル飲むことは明らかな違反。
 同州では各地に仮設される大規模ビアホールを政党が借り切り選挙集会を開催。民族衣装を着た候補者は、1リットルジョッキを手に数千人もの酔客に政局を語り、全員でバイエルン州の「国歌」を合唱するのがならわしだ。ベックシュタイン氏は今月初旬、毎日新聞などとの会見で「ビアホールは騒がしく、演説しても多くの参加者は聞いていないが、有権者と接する大切な機会だ」などと話していた。

 ベックシュタイン州首相によれば、ビール1リットル飲んでクルマを運転してもOK、2リットルなら1、2時間過ぎてからOKということらしい。ドイツにはアウトバーンという速度無制限の道路があって、そこをポルシェやBMWが時速200q以上ですっ飛ばしてるらしい。そいつらが「ビール1リットルならOK!」ということで飲んだ後そのまま走ってるのかどうかはわからないが、あの朝BARにいたジョッキを傾けていた人たちの中には、その後クルマを運転していた人がきっといたはずである。

 飲酒運転に対する取り締まりが厳しくなるのはいいことだとオレは思う。飲酒運転によってクルマを暴走させて人の命を奪った場合、死刑でもいいとオレは思っている。自分は決して飲酒運転などしないし、飲酒運転で暴走したクルマにぶつけられて死ぬことほど理不尽なことはないと思うからだ。ところがこのベックシュタイン州首相は、自分の住むバイエルン州の主産業であるビールの売れ行きの方がはるかに大事なんだろう。

 ただ、今回こうして新聞が「暴言」として報道してるが、その場ではどういうニュアンスの発言だったのだろうか。そんなアホなことを本気で言うわけがないと思うし、冗談で言ってるのならそれが通じない聴衆がアホなのである。

 オレは昔生徒に向かって「もしも今シーズン阪神が優勝したら、2学期の試験は思いっきりやさしくしてやるが、巨人が優勝したらそのときは覚悟しろよ!」と言ったことがある。するとある巨人ファンの生徒が「先生、野球の結果でそんな大事なことを決めるのは間違っています!」と抗議してきた。その抗議は正当だが、前提となる私の発言がふざけてるのであり、ふざけて言ってる内容に対してまじめに抗議されても困るのである。これでは安心して冗談も言えないのである。

 冗談を言ってるつもりが「教師にあるまじき発言」ととられてはたまらないのである。そんなふうに揚げ足をとられないようにするためには、冗談を言うまでに「これから言うことは冗談ですが」といちいち断らないといけないのだろうかとオレは思うのである。


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09月20日(土)
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