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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■エコキュートにだまされるな!
 国民生活センターによると、07年度の電気温水器の訪問販売に関する相談は1343件で、03年度の200件の6倍以上。08年度も9月末までに、前年同期比で1.8倍の688件が寄せられた。エコキュートは、これらの約半数を占めるという。
 エコキュート導入に対し、経済産業省は補助金制度を設け、家庭用は1台あたり4万2千円を助成している。しかし、08年度分については募集が終わったという。
 静岡県の60代の女性は5月、訪問販売業者に「補助金の申請枠があと少しで定員になる。今日でないとダメだ」と粘られ、約173万円の契約を結ばされたという。
 6月には愛知県の40代の男性が「明日までなら初期費用がかからない」、7月には大阪府の30代女性が「電気代とガス代が安くなる。13年分の差額で買える」などと告げられ、それぞれ100万円前後の契約を結ばされたという。
 国民生活センターは、導入する場合は、数社から見積もりをとって、光熱費が安くなる場合の条件の説明を求めるよう助言している。(高田英、茂木克信)

 オレはこのエコキュートというシステムの導入に、100万ものゼニが掛かるなんてことは今回の新聞記事で初めて知ったのである。そんなに高価なシステムならば、よほどのメリットがないとわざわざ導入する人もないだろう。だから押し売りのように訪問販売で、良く理解できないお年寄りとかにだまして売りつけようとするのだろう。

 光熱費が1年間で10万円安くなるとしても、設置に100万円かかるのなら取り戻すまでに10年掛かることになる。しかし実際は10万も安くはならないわけで、そうなると15年も20年も掛かることになり、そのうちに設置した機器の耐用年限が来たり、故障したりする。そうなるとまた新しい機器を購入することになり、結局またしてもゼニが掛かることになる。わが家には太陽熱温水器が設置してあるが、ずいぶん昔に故障してそのまま放置してある。ガス屋に勧められて設置したのだが、屋根から取り外すにもゼニが掛かるわけで新しい機械に取り替える予定はない。設置から撤去までのトータルコストで考えれば実際は損だったような気がする。そういうことがあるからだまされてはならないのだ。電機屋が本心から「こっちにした方がお得です」と思ってるわけではない。連中は設備一式を販売してそれで稼いでるのである、ウソ八百並べ立てて相手をだまして売りつければ勝ちである。だからじゃんじゃんお年寄りをだますのである。彼らの本音を語るなら「こっちにした方が(我々はもうかって)お得です」ということなんだろう。

 それにしても「今日でなければだめだ!」などと粘る業者は押し売りと一緒である。そんなふうに勧める業者にろくなヤツはいないだろう。

 何で暖房するのが一番安いのか。それはおそらく石油ストーブやファンヒーターなのだろう。だって寒い北海道に行けばみんなファンヒーターや石油ストーブを使ってるじゃないか。もしも電気で暖房する方がコストが安かったらそっちを使うだろう。原油高で一時はめちゃんこ高かった灯油価格も落ち着いてきた。今の価格ならば電気よりもずっと暖房コストは安いはずである。わが家は灯油代を一ヶ月に1万円ぶんくらい使うが、夏のエアコンに掛かる電気代は3万円くらいである。もしもエアコンを暖房用に使えば夏と同じくらいに電気代がかかるだろう。そうやって比較すると、明らかに灯油による暖房の方が低コストであることがわかる。

 このエコキュートという仕組みは正しく使いこなせたらすばらしい仕組みなのかも知れない。しかし、そのコストに関してちゃんと客に説明されてるとは思えない。九州電力の「30年で300万円お得」というのはどう考えても誇大広告である。その300万円から機器の設置費を引けば、お得な金額はかなり減少するはずだ。それをきちっと説明しないのは詐欺の一種である。

 電力会社は少しでも多くの電気を顧客に使わせたいわけで、原発を建設して大量に作りまくった電気をとにかく売りたいのである。だからあの手この手で電気を使わせようとするのだ。オール電化を推進するのもその一環である。しかし、必ずしもそれが本当に省エネなのかどうかはわからない。





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12月27日(土)
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