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サッカー観戦日記
by T.K.
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■奈良県1部リーグ 奈良育英−法隆寺国際 畝傍−天理 香芝−五條 生駒−山辺
いっぽう五條は相変わらずドリブル。自陣でも構わずドリブル。昨年の選手権予選ではアタッキングサードでしかドリブルをしないチームになった印象だったが、この日は以前と同じ「どこでもドリブル」のチームだ。以前高田FCジュニアユース(のちにディアブロッサ高田に改名)はゴールキーパーが持つと必ずすぐ近くの味方に出し、ドリブルか隣にショートパスという選択肢だけでそうやって小さく繋いで敵陣に運ぶチームだった。戦術云々ではなく、育成のためにあえて歪なフットボールをしていた。中学生としても個の育成に特化したチームだった。それを五條は高校生でやっている。ビルドアップの原則など気にしていない。たぶんこれは高校3年間で教えられることは限られている。だから選手には楽しんでほしい、というメッセージだろう。
双方ベーシックな能力は高いから当たりやボディバランスがしっかりしていて簡単にはやられず、膠着状態になる。こういう時の格言は「チーム力が互角の場合は両方合わせて一番能力の高い選手がいるほうが勝つ」、つまり香芝の9番だが、結局ゴールは生まれず、0−0の引き分けだった。間違いなくトーナメントにおいて奈良県の頂点を狙う両校だが、リーグ戦優勝を狙う意味ではパンチが足りない、と感じた。


生駒−山辺

生駒
四四四三
七八四一四五三六
七十三十十九三三
誰々

山辺
九番十一
五番八番七番十番
六番三番二番四番
誰々

生駒は11人が連動して丁寧にビルドアップする。香芝が2トップ以外で3人目の動きを意識してショートパスでビルドアップ、としたら生駒は全員でしかも4人目の動き出しも加えてミドルパスを交えてビルドアップする。長身FW43番のポストも入り、奈良県では間違いなくクオリティが高い。監督は元Jリーガーの古田先生。急には強くなれないタイプだが、着実に力をつけている。左フリーキックから先制すると、中身のある繋ぐかウンダーから2トップが1点ずつ取り、体格と技術の高さもあって確実にゲームを運ぶ。一方で昔のJユースのように「走る」ことには若干不安を感じる。
いっぽうの山辺はベンチはたぶん元Jリーガーの興津さんだと思うし、怒鳴りっぱなしなのでこれも興津さんらしいが、前の試合では興津さんはいなかった、という情報もあり、私のいた場所は山辺ベンチを確認できないところだから、何とも言えない。個々の能力は間違いなく高いが、どちらかというと一芸選手で、特に10番は爆発的なスピードとスタミナを兼ね備える。右を疾走しコーナーキックを取る一方で左にも現れ、パスに長けた8番と連動して崩す。5番はバランサー。山辺も中盤まではパスを運べるチームだが、FWとは連動していない。このあたり、昨年までのロースコア勝ちのチームらしい。こういうチームは先制されたら苦しく、実際前半のうちに3点ビハインドになった。こうなると前半から飛ばしていた10番のスタミナがカギになるが、後半に入り、右センターバック2番の正確なロングパスがDFをぶっちぎった10番に通り、出たキーパーの前で浮かせて1点追撃。これは生駒としては個人能力の高さが想定外、と言ったところで、仕方ない。が、生駒はスピードもスタミナも足りない印象を受けた。というか古田先生はあえて走りの練習は控えめなのか?以降山辺の10番は走りまくり、プロ前提で話すならばやや技術不足だが、スピードとスタミナは一級であり、これはプロもあり得ると思った。大学サッカーに進むのならばサイドバックで才能を開花させてほしい。結局3−1で生駒が勝利した。



第5試合は18時半キックオフだが、この日は寒くて風も吹いていたし、体力が奪われて限界だったので撤退した。近鉄では京都駅まで手がかじかんでいた。

04月22日(土)
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