ID:27426
雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■何れにしてもの期限でしょうか
例えば、
其の時間は失われたのなら。

失われた分を、
積み直せば良い。


例えば、
其の時間が巻き戻ったのなら。

巻き戻った分を、
もう一度進めれば良い。




其れは。

飽く迄、
時間を与えられた側の、
言い分だけれど。










其の時間を恃む事が、
出来ぬ刻。

他に、
取り得る手段が在るのだろうか。















名前で無く。

あの子を、
嘗ての渾名で呼び。


 「俺。」
 「独身だよ。」


巻き戻った記憶を前に進めようと、
言の葉を伏せた。




半ば自棄糞で。
























俺が四十の時に。

あの子が四十の時に。


其の一年の差に、
ずっと、
想いを委ねて来たけれど。





 「お誕生日おめでとう。」
 「痛みも少なく穏やかな一日だと良いな。」


あの子に贈った、
生誕祝いの電信で。

其の、
薄っぺらい根拠すら、
封じられる。








折角。




 「四十になってお互いに独身だったら。」
 「結婚しようねってやつでしょ?」
 「小坊主ちゃん既に四十一じゃん。」


あの子には。

記憶の鍵が、
残って居たのにね。





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References
 Jun.21 2014, 「変わらぬ祝いの深夜便でしょうか」
 Jun.21 2008, 「縒り逢う様に在るのでしょうか」
 Jun.21 2007, 「求心力の一つでしょうか」






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06月21日(水)
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