ID:27426
雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■通りすがりの懐炉でしょうか
重なる偶然の、
其の稀さ加減故に。

ふと、
想いが高揚したのか。



其れとも。



一瞬でも、
寄り掛かる其の温もりを、
欲して。

心許せる対象に、
触れたのか。











早く、
早く、
殊更待ち望み。

其れでも、
此の手に訪れる事の無かった、
其の機が。




彼女の、
帰国の機と。

俺の、
出国の機と。


偶然に重なる事で、
眼前に、
浮き出しては。





其の、
刻の歩みを。

一気に、
巻き上げた。




















 「またね。」



一言で終える筈の、
其の、
挙げた手を。



重ね。

指を絡め。

身体を寄せ。



 「ちゅ〜はしないよ?」

 「しちゃった。」


唇が、
一瞬触れる。


















少しでも、
元気に成れただろうか。







 「行ってらっしゃい。」

 「行って来ます。」


交わした言の葉の、
其の直後に、
顔に浮いた憂い。


でも。


此れ以上の、
強い援護の手は。

俺には、
打てないよ。





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References
 Jan.03 2012, 「切っ掛けは保険の様な物でしょうか」






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06月25日(火)
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