ID:27426
雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
[165341hit]

■必要な上書きでしょうか
目の前の光景と、
奥底の記憶を。

一つ一つ、
丁寧に照会して。


其の記憶を、
別の事象で上書きして行く事が。

己に隠して在る、
目的なのだ。



目の前の白い化粧が、
刻々と上書きされて行く様に。






けれども其れは。

今を差し置いて、
過去へ立ち戻る作業を含むから。


時には、
自身へ刃を穿つ事に成る。











眼下に見える、
細長い建物。

階段を下り、
建物を一歩出れば、
左手にホテルが在るのだろう。


今、
背後に在るのは、
科学館で。

其処は、
小さな彼と遊んだ、
唯一の場所だ。










俺の視線が、
一瞬泳いだ事に。

姫は、
気付いたに違いない。


魅せる視線が、
そう語るけれど。




如何しても、
俺に必要な作業だと。

口を開かず、
我慢して居るのかも知れない。















貴女の、
唇を奪いに行った場所だと。

貴女の旦那に、
宣戦布告した場所だと。


貴女との想い出は。

眼前に在る、
此の駅が中心だったのだと。









姫に、
伝えられる日が来るだろうか。





----------
References
 Jun.02 2003, 「少し塩辛いでしょうか」
 Oct.19 2002, 「柔らかかったですか」
 Mar.14 2002, 「挑んでも良いですか」
02月11日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る