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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■其の挨拶は悪戯なのでしょうか
確かに、
其処には平均が在って。
両極に属する存在よりも、
総じて、
中央に属する存在が多いけれど。
個々人の価値基準は、
個人から発生する物だから。
自身が、
其の分布の両極に位置しようと、
或いは中央の近傍に居ようと。
与り知らぬ事なのだ。
其れ故に。
自身と、
相手の、
社会的分布から見た、
偏りに。
自ら気付く事など、
多くないから。
想い逢う二人の、
創り上げる世界が。
俗世間と切り離された、
二人の世界として。
甘美に、
存在し得るのかも知れない。
「私を引き受けてくれる人と。」
「一緒に帰るから。」
「だから正月は帰らないね。」
姫の、
母親への返事は。
俺と過ごす予定への、
返事でもあり。
同時に、
俺への意思表示でもあるのだろう。
「その人、物好きな人ね。」
「犬や猫が好きで、物好きな人って。」
「太ってボーっとしている人しか居ないよね。」
姫の母親は。
彼女なりの口の悪い言い回しで、
其の厳しさを訴え、
暗に心配して居るかも知れないけれど。
犬や猫が好きな、
此の俺は。
痩せて居て、
どちらかと言えば激情家だと。
「驚くよね・・・」
「だね・・・」
姫と二人、
唇を重ねながらほくそ笑む。
俺と姫の認識は。
きっと、
実社会の分布の、
両極に位置するのだと。
お互い、
薄々感じながら。
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References
Nov.13 2004, 「終着駅への誘いでしょうか」
11月14日(日)
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