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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■聖域だと想ってはいけませんか
其の場所は、
唯一の場所だから。
抱き合いながら。
掛け値無しの、
飾り気の無い、
想いと、
本音だけを。
お互いが、
素直に、
ぶつけて来た場所は。
此の、
風呂の中だけだから。
其れが鋭く、
互いを傷付けたとしても。
其処で産まれる、
言葉の数々に対峙して。
白刃を、
素手で受け止めるのだ。
「姫らしく過ごせるって?」
「いつも笑って過ごせること。」
「笑えなくなって来たって事?」
「ううん、二年前と比べたら一杯笑える。」
昨晩の姫が、
そう口にして。
「信じられないんだ。」
「小坊主のこと。」
「だから離れる?」
今夜の姫が、
確かにそう言ったとしても。
此の場所で産まれた、
言葉なら。
何れも、
真に値する想いで。
「俺は姫が好きだから。」
「想いが届かないのは俺のせいで。」
「伝わる迄贈り続けるよ。」
「間に合わなくて姫に愛想尽かされたら。」
「しょうがないけれど。」
奥底に在る想いを、
贈り切れぬ、
俺自身が。
精進して、
想いを伝え続ける事が、
出来るのだ。
だから。
此の、
唯一の場所で。
「じゃぁ、愛想尽かす?」
「マジで言ってるの?」
「ううん。」
そう言う冗談を言うのだけは、
止めてくれ。
08月24日(火)
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